
スタイリッシュな4ドアクーペであるF74型グランクーペは売れていないのでしょうか。その実態を開設します。
F74型グランクーペの概要
2代目グランクーペ220スペック
- 全長×全幅×全高:4550×1800×1435mm
- ホイールベース:2670mm
- 車両重量:1490kg
- 総排気量:1498cc
- エンジン:直3ターボ+マイルドハイブリッドモーター
- 最高出力:156.4ps/5000rpm
- 最大トルク:24.5kgm/1500-4400rpm
- システムトータル出力:170ps/28.6kgm
- トランスミッション:7速DCT
- WLTCモード燃費:17.5km/L
- 価格:528万円
2シリーズグランクーペが売れてない理由
販売台数が1シリーズや3シリーズに比べて低い傾向にあるようです。
販売台数が少ない理由
- クーペタイプのデザインであるため、特定の層(ニッチユーザー)をターゲットとしており、一般的なセダンモデルである、1シリーズ・3シリーズに比べて販売台数が少なくなるのは当たり前のことです。
- クーペスタイルであるため、リアの居住性がセダンに比べて制約を受けるため、ファミリーユーザーというよりも、通常は二人乗りとして利用する用途が適していると言えます。
- 近距離移動における後席での大人乗車や通常の子供乗車であれば全く問題はありません。
買取価格が低いわけではない
ネット上では、グランクーペの買取価格の低さが売れ行きに影響を与えているとの記載がありましたが、誤りです。
- 新車の流通台数が少ないため、中古車ニーズは高くなり、買取価格が他シリーズより明らかに低い傾向になっていません。買取価格の安さが販売台数に影響を与えることなどありません。
- 故障リスクやメンテナンス費用というキーワードを挙げているサイトもありますが、全くの誤りです。グランクーペ特有のリスクはありません。
価格が安いとされる理由
FFの前輪駆動プラットフォームとして、BMWミニとプラットフォームを共有しています。
エンジンもBMWミニと共有しています。
この点では、メーカー側としてのコスト低減に寄与していると言えます。
前輪駆動はコストが安いのか
後輪駆動がコスト増で、前輪駆動がコスト安と語るサイトもありますが誤りです。
FF採用はBMWミニとの共有化
FF前輪駆動レイアウトの方が車内居住スペース効率に優れている点です。
BMWグループとして、コンパクトボディは、前輪駆動の共通プラットフォームの設計思想に基づき採用されているのが理由です。
プラットフォーム名は「ULK2:Untere Klasse Lower 2」となります。
サイズ的には、BMWミニとのプラットフォーム共有化は、必然だったと言えます。
後輪駆動として登場した1シリーズですが、BMWミニで蓄積したFFおよび4WD駆動のノウハウをベースとして、BMWユーザーにも違和感なく適用できるようになったところが大きいでしょう。
3シリーズ未満のB/Cセグメントのプラットフォーム共通化として、BMWミニと共有化することによるコスト低減メリットはあるでしょう。
ユーザー面での価格メリットは無し
F20型後輪駆動モデルと比べて、先代F40型前輪駆動モデルの1シリーズが価格的に下がったとは言えず、安全装備、快適装備の強化により、全体的な車両価格は向上しており、プラットフォームのULK2化が寄与しているとは言えません。
2シリーズグランクーペ(F74)が売れていない理由のまとめ
- 4ドアクーペは、ボディ形状から後席の居住性が制限され、スタイル優先のデザインとなっています。
- 特定ユーザー向け、ニッチマーケットをターゲットとするため、3シリーズのような量販モデルではない。よって売れ行きが少なくなる傾向である。
- 買取価格が他モデルに比べて、明確に低くなるわけでは無い(ネット情報は誤り)
- 故障リスクやメンテナンス費用が他モデルに比べて、明確に高くならない(ネット情報は誤り)
BMW 2 シリーズ グランクーペは、4ドアクーペらしいスタイリッシュなデザインを備え、3シリーズよりもコンパクトなサイズから、まさに日本のユーザーニーズにマッチした駆けぬける歓びを体現できるモデルとなっています。
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