FUN君
BMWディーゼル車における、アドブルーの要否、補充のタイミングなど、注意点やメンテナンス方法、故障対応を解説します。
BMWの尿素SCR搭載車
BMWディーゼル・非SCR搭載車(主に2015年以前)
BMW F1x/2x/3x番台のディーゼル車(~2017年以前)
BMWディーゼル・SCR搭載車(主に2016年以降)
ディーゼル排気ガス規制の強化により、尿素SCRを用いたクリーン化が必須となりました。
- BMW E7x番台のディーゼル車
- BMW F3x番台のディーゼル車(2018年以降)
- BMW Gxx番台以降のディーゼル車
- 現在のディーゼル車は、基本的に尿素SCR搭載モデル
尿素SCRシステム
尿素SCRシステム(にょうそエスシーアールシステム)
排出ガス浄化技術の1つで、ディーゼルエンジンの排気中の窒素酸化物(NOx)を浄化する技術です。
SCRとは
Selective Catalytic Reductionの略であり、日本語では「選択(的)触媒還元」を意味する(選択触媒還元脱硝装置も参照)。尿素以外の還元剤を使用する方法もありますが、尿素水を使用する方式が主流です。この尿素水のことを欧州車では、一般的にアドブルーと呼んでいます。
アドブルーとは
「アドブルー」「AdBlue」の意味
- ディーゼルエンジンの排気ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)を分解・浄化するとともに、車の燃費向上にも役立つ高品位尿素水のこと。ドイツ自動車工業会(VDA)の登録商標。
- 尿素SCRシステムの一部として機能する液体で、マフラー内で噴射されると気化し、2種類の触媒の中で加水分解されてアンモニアガスとなります。そして、このアンモニアガスが化学反応を起こすことにより、環境と人体にとって有害な窒素酸化物が無害な窒素(N)と水(H2O)に分解されて、クリーンな状態の排気ガスを出せるようになる仕組み。
アドブルーの補充時期と交換時期
アドブルーの劣化特性
- アドブルーの主成分である尿素(アンモニア)には、高温になると気化し可燃性の気体になる性質
- 一般的な尿素水やアンモニア水は、そのまま利用できません
- 車載用として、尿素と純水を32.5%:67.5%の割合で混合した製品がアドブルーです
アドブルーは、低温や高温で化学変化が起こる
- 氷点下の駐車では、結晶化が進みます。
- 炎天下駐車の車内は、50度を超える場合もあり、アドブルーの劣化が進みます。
毎週走行するなど利用頻度が高ければ、アドブルーの補充により、劣化部分が薄まります。
極低温や高温な夏季の期間中、長期3ヵ月以上、ほとんど乗らなかった場合などは、注意が必要です。アドブルーの車内センサーは、量を検知するのみで、質の劣化は検知できないためです。
保管期限の目安
- 外気温:補充後の有効期限
- 10度以下:約3年
- 常温:約1年
- 炎天下で常時駐車:約3か月
アドブルー関連の警告表示と故障
- アドブルー:残量警告
- アドブルー:残量表示、可能航続距離
- アドブルーが残量ゼロとなった場合:有害な排気ガスを排出するため、エンジンも始動不可
アドブルー:システム故障
対処方法:アドブルーの補充、システムリセット
アドブルー:漏れやタンクの劣化
対処方法:接合部の漏れは、締め直しやシール材、タンクの劣化は交換となります。
BMWディーゼル車のアドブルーは必要か不要か:まとめ
新車購入後、3年、5年以内は、低走行であっても比較的短期間のメンテナンスが実施されるため、アドブルー関連の故障は、発生しにくい傾向です。
E70型X5時代に比べて、最新モデルの故障発生率は減少しています。
ただし、アドブルーの補充を怠るとトラブルになりますので、走行距離が短かったり、適切なメンテナンスが必要という「まとめ」になります。
- 警告灯に従ったまめな補充
- 過酷な保管状況の場合は、交換を推奨
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