
「停止直前にキーキー鳴る」「朝一番だけ音が出る」「バックのときだけ鳴く」。BMWオーナーから特に多い相談が、ブレーキの高い異音です。
結論から言えば、ブレーキ鳴きは“故障”とは限りません。ただし、放置して良いケースと、早めに点検すべきケースがはっきり分かれます。「自分のケースはどれか」を判断できる内容にまとめました。
BMWはなぜブレーキが鳴きやすいのか
欧州車は総じて制動力重視の設計です。BMWも例外ではありません。
代表的なモデルである3 Series、5 Series、X3、などでも同様の傾向が見られます。
純正ブレーキパッドは初期制動を重視した材質で、ダストが多め。その結果、以下の条件で共振が発生しやすくなります。
- 低速走行時
- 停止直前
- 冷間時(朝一番)
- 湿度が高い日
つまり、鳴きやすい設計思想そのものが背景にあります。
E型・F型・G型 世代別ブレーキ鳴きの傾向
E型(〜2010年代前半)
E90、E60世代に代表されるE型は、比較的メカニカルな構造が中心です。
- 冷間時のキー音が出やすい
- ローター段付き摩耗による鳴き
- パッド残量低下で金属音化しやすい
この世代はローター摩耗起因の鳴きが多く、機械的な摩耗が原因になりやすい傾向があります。
F型(2010年代中盤)
電動パーキングブレーキ採用車が増えた世代です。
- 停止直前の高音
- 低速時の共鳴音
- リヤからの鳴き相談が増加
軽量化されたローターと電動パーキングの影響で、リヤ起因の鳴きが目立つようになりました。
G型(2019年〜)
最新世代では改良が進み、全体として鳴きは減少傾向です。
- 通常モデルは比較的静か
- Mスポーツブレーキ装着車は鳴きやすい
- 湿度依存型の鳴きが残る
大型キャリパーや高摩擦パッドは共振しやすい性質があります。
フロントとリヤで原因はどう違うのか
ブレーキ鳴きは前後で性質が異なります。
フロントブレーキの主な原因
- パッド材質による共振
- ローター段付き摩耗
- シム劣化
- ダスト蓄積
制動力の約7割を担うため、鳴き発生率はフロントが圧倒的に多くなります。
リヤブレーキの主な原因
- 電動パーキングの引きずり
- 当たり不良
- サビ固着
- キャリパースライド不良
特にバック時や雨の翌日に鳴く場合は、リヤ起因の可能性が高いです。
世代×前後 傾向比較表
| 世代 | フロント傾向 | リヤ傾向 | 主な原因タイプ |
|---|---|---|---|
| E型 | 段付き摩耗 | サビ鳴き | 機械的摩耗 |
| F型 | 共振音増加 | 電動パーキング影響 | 構造+共鳴 |
| G型 | 基本静か(Mは鳴きやすい) | 湿度依存 | 環境依存型 |
危険なブレーキ鳴きの見分け方
| 症状 | 危険度 | 対応 |
|---|---|---|
| 停止直前のみキー音 | 低 | 様子見可 |
| 冷間時のみ | 低 | 特性の可能性大 |
| 常時金属音 | 中 | 点検推奨 |
| ゴリゴリ音 | 高 | 即点検 |
| 振動を伴う | 高 | ローター確認 |
BMW ブレーキ鳴きの具体的対策
1. 強めのブレーキで当たりを整える
安全な場所でやや強めに数回ブレーキをかけることで、表面のサビやダストを除去できます。
2. 面取り・グリスアップ
整備工場での軽整備。コストを抑えつつ改善するケースがあります。
3. 低ダストパッドへの交換
ホイール汚れが減る一方、制動フィーリングが若干変わる場合があります。
4. ローター同時交換
5万km以上走行している車両では、パッド単体交換よりもフィーリングが改善します。
パーキングブレーキやオートブレーキホールドの異音は故障?原因と対策
BMWの現行世代では、電動パーキングブレーキ(EPB)やオートブレーキホールド機能が標準装備されている車種が増えています。
便利な機能ですが、「ウィーンという作動音」「ガクッという解除ショック」「キーという擦れ音」など、従来の機械式サイドブレーキにはなかった音に戸惑う方も少なくありません。
ここでは、異音の種類別に“正常範囲”と“点検が必要なケース”を整理します。
① 電動パーキング作動時の「ウィーン音」
停止後にスイッチを引いた際、またはシフトをPに入れた際に聞こえるモーター音です。
- 短時間(1〜2秒)で止まる
- 毎回ほぼ同じ音量
- 警告灯なし
この条件なら正常作動音です。電動モーターでリヤキャリパーを締め付けているため、音は必ず出ます。
② 発進直後の「キッ」「キー」音
ブレーキホールド解除時やパーキング解除直後に出やすい音です。
主な原因は以下の通りです。
- リヤパッドの軽い引きずり
- 湿気によるローター表面サビ
- 当たり面の共振
雨天翌日や洗車後に出やすく、数回のブレーキ操作で消えることが多いです。
③ ガクッとしたショックや強い振動
発進時に明らかな引っかかりがある場合は注意が必要です。
- 解除がワンテンポ遅れる
- 後輪側から衝撃が来る
- 坂道で顕著に出る
この場合は、
- リヤキャリパー固着
- スライドピンの動き不良
- 電動アクチュエーター不調
といった整備対象の可能性があります。
④ オートブレーキホールド特有の音
信号停止中にブレーキペダルを離しても保持される機能です。
解除時に「コツン」「スッ」という感触が出るのは、保持圧が抜ける瞬間の作動音です。
ただし、
- 毎回強い衝撃が出る
- 解除が不安定
- 警告表示が出る
といった症状がある場合は診断機チェックが必要です。
⑤ 世代別の傾向
- E型:機械式が中心でEPB起因の鳴きは少ない
- F型:EPB普及期でリヤ鳴き相談が増加
- G型:制御精度向上で異音は減少傾向
特にF型では、リヤからの発進時鳴きが比較的多く報告されています。
セルフチェックのポイント
| 症状 | 可能性 | 対応目安 |
|---|---|---|
| 短時間のモーター音 | 正常作動 | 様子見 |
| 雨後のみキー音 | 表面サビ | 軽走行で改善 |
| 発進時強い衝撃 | 固着・引きずり | 点検推奨 |
| 警告灯点灯 | 制御系異常 | 即点検 |
パーキングブレーキやオートホールドの音は「電動化による特有の作動音」と「整備が必要な異常音」に分かれます。
音が徐々に大きくなっている、振動を伴う、警告が出るといった変化があれば、早めに点検しておくと安心です。
FAQ|BMWブレーキ鳴きのよくある質問
Q1. 新車でも鳴くのは普通?
慣らし期間中は当たりが出ていないため、鳴くことがあります。走行とともに収まるケースが多いです。
Q2. 車検に通らない?
制動力に問題がなければ通ります。ただし金属摩耗音は整備対象です。
Q3. ディーラーに行くべき?
振動や警告灯が伴う場合は迷わず点検を。音のみで安定しているなら、まずは状態確認から。
Q4. リヤだけ鳴くのはなぜ?
電動パーキングブレーキの影響が多く、F型以降で特に見られます。
まとめ|BMWブレーキ鳴きとの正しい付き合い方
BMWのブレーキ鳴きは、性能重視設計の副作用でもあります。
- E型は摩耗型が中心
- F型は共振+リヤ起因増加
- G型は改善傾向だがスポーツ仕様は鳴きやすい
- フロントは制動負荷起因
- リヤはパーキング起因が多い
音の種類と出るタイミングを把握すれば、過度に心配する必要はありません。
ただし、振動や金属的な常時音がある場合は早めの点検が安心です。


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