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PHVのガソリンが腐る、劣化対策とは

メンテナンス
FUN君
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プラグインハイブリッド車(PHEV/PHV)ガソリンは、どの程度の期間で劣化するのか。劣化影響やガソリンが腐らせないための予防策を解説します。

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プラグインハイブリッド車の特長

短距離走行なら電気のみで走行が可能

  • ガソリンエンジンと電気モーターを搭載したPHV車は、外部の充電インフラで充電が可能なハイブリッド車
  • 純ハイブリッド車と異なり、電気のみで走行できる距離が長く、日常的な短距離走行では電気のみで足りる
  • 長距離走行ではガソリンエンジンを併用するなど、状況に応じて使い分けが可能
  • 満充電状態であれば、各車バッテリーの搭載量に応じて数十キロの純EV走行が可能

PHVのメリット

  • 長距離走行時、ガソリンエンジンで走行可能
  • バッテリーの電気を使い切った後の「電欠の心配がない」
  • 日常走行が短い方であれば、バッテリーEV車として、モーター単独走行となり、静かでトルクフルなモーター走行が可能
  • 日常走行が短い方であれば、バッテリーEV車となり、ランニングコストが安い

PHVのデメリット

  • モーター駆動、バッテリーを積むため、車両価格が高くなる
  • ガソリン車単体に比べて、モーター・バッテリーによる重量増
  • ガソリン車単体に比べて、モーター・バッテリーによる荷室容量の減少
  • ガソリンを長期間使わない場合、ガソリンが腐る、劣化する問題がある

ガソリンの劣化、腐る状態とは

タンクが錆びるのか?

近年は、プラスチックのガソリンタンクを利用しており、タンクが錆びることはありません

ガソリンは気化・蒸発するのか?

ガソリンは沸点30-220℃の石油製品の名称です。
複数の物質毎(原油等)を蒸留して精製された混合物であるため、沸点が異なります。
沸点の低い物質から、気化が進みます。

給油中に多く蒸発(気化)

ガソリン給油時、30-60ccが大気中に蒸発しているとされます。(密閉状態ではないため)

給油後の蒸発は最低減に留まる

ガソリンタンクのキャップを確実に閉めることで蒸発量は最小減に留まります。
昔のキャブレター車では、燃料系統の気密性が低く、蒸発は避けられませんでした。
しかし、最新のインジェクション車では、密閉性が高く燃料系統からのガソリンの蒸発(気化)は最小限にとどまります。

室内が40度を超える高温では気化が進む

密閉性が高く気化が抑えられているとは言え、室内が40度を超える高温の状態では、ガソリン成分の気化が進みます。

気化が進むとどうなるのか

ガソリンは複数の混合物であるため、給油時からの成分が変化してくる可能性があります。
通常、ガソリンキャップを閉め忘れた状態で数か月放置しない限り、揮発・気化量は微々たるものであり、成分変化を気にする必要はありません。

高温で劣化するのか?

体積膨張

ガソリンは温度が上がると体積が膨張します。1℃上昇すると、約0.00135倍膨張します。このため、高温になるとガソリンタンクの圧力が上昇し、漏れや噴き出しの危険性があるため、圧力調整の仕組みを装備しています。

化学変化

ガソリンに含まれるアルケンは、高温で酸素と反応して酸化します。この酸化によって、ギ酸や酢酸などの副産物が生成され、ガソリンの臭いや色、さらには腐食性などが変化することがあります

劣化(成分変化)の影響

ガソリンの成分がギ酸や酢酸に変化すると、酸ですので、ガソリンタンクやエンジン内部の腐食にもつながります。 また、揮発成分が抜け粘り気のあるヘドロのような物質が発生してエンジン内部の配管などに汚れや詰まりを引き起こし、エンジンの故障などにつながることもあるのです。

ガソリンタンク内の結露

給油量が少ない状態では、ガソリンタンク内の空気スペースが多くなります。
内外の温度変化によって結露が発生し、比重の重い水がガソリンタンクの底に溜まります。

ガソリンタンク内が空であるほど結露が発生

  • ガソリン残量が少ないと空気が多く結露が多く発生
  • ガソリン残量少に加えて、水分が増加していくという最悪の混合状態となっていきます
  • 空気中のホコリや汚れを水分が吸収し、その汚れが燃料系統に悪影響となる

ガソリンに水の成分が多くなると、燃料系統が水に対応していないため、エンジン出力低下、故障や錆びなど様々な不具合につながります。(水抜き材等も効果あり)

BMWのPHVモデルで、タンク内のエアを抜く操作とは?

車両を長時間給油せず、主に電気走行で使用した場合、給油前にガソリンタンクのエア抜きノブを押す必要があります。このノブは、左側のドライバーフットルームに取り付けられています。(車種により異なる)
メーター内に「給油可能」と表示されたら、エア抜きが完了し、タンクキャップを外すことができます。これで給油ができます。
通常は、エア抜きにかかる時間は数秒で終わりますが、外気温度が異常に高い場合などには最長2分程度かかる場合があります。

ガソリン劣化を考慮したPHV車の使い方

三ヵ月に1回は、ガソリン満タン給油を行うような、長距離走行を行っている方は、ガソリンの劣化や結露問題に対して、特に注意する必要はありません。

注意対象は、三ヵ月間、バッテリー走行のみの方

完全電気自動車のような、使い方もできるPHV車ですが、複雑なエンジンを積んでいる関係で、定期的にエンジンを回して、ガソリンを使うことも必要なのです。

推奨方法(たまにエンジン走行を行う)

走行距離の短い方でも、ガソリンタンクの半分程度は、エンジン走行できるような使い方が出来ると、三ヵ月に一回は、ガソリンタンク内の燃料の半分が新しいものと入れ替わります。
(GSスタンド側の劣化は考えないものとした場合)

バッテリーコントロールモードを使ってエンジン始動と充電を実施

Sportモードでのエンジン走行を推奨するサイトもありますが、スポーツ走行を意図したモードであり、シフトタイミングも燃費効率を求めたモードではありません。
そこで、バッテリーコントロールのボタンを押し、「バッテリーコントロールモード」でエンジンを回しつつ、発電を同時に行うモードを活用しましょう。エンジン駆動力を発電にも回すため、純粋な燃費としてはかなり効率が悪いのですが、Sportモードよりも燃費効率優先のシフトと回生が行えます。(バッテリー充電保護のため、このモードでは80%を推奨)

  • BATTERY COTROL:「eDrive」の表示項目車では「SAVE」の項目がこれに相当
    BMW車以外では、エンジン駆動による充電モードが、これに相当

PHVのガソリンが腐る、劣化対策とは:まとめ

  • 給油時に蒸発(気化)が多く発生する(影響小)
  • 高温時も気化よりも、高温によるガソリン成分の化学変化(影響大)
  • ガソリンが少ない場合、結露が多く発生し、水がタンクの底に溜まる(影響大)
  • 上記による成分変化により、燃料系統やエンジン稼働に様々な影響をもたらします

ガソリンの劣化防止のために

  • 3か月に一回は半分以上のガソリン給油を目指す
  • フル充電EV走行だけでなく、たまにはエンジン駆動を行うことで、ガソリンの回転を速める
  • ガソリンの劣化サイクルを意識した対応が必要
  • エンジン駆動による発電は、高効率ではないものの、バッテリーコントロールモードの併用が最終的なトータル燃費効率の向上とガソリン劣化対策にもつながります。

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