BMWの新ロゴは、「WEBや印刷物中心で使用」となっています。
結果、BMWの車両で使われるエンブレムマークは、ディーラーに掲げたロゴは従来通りとなります。これ内容に対して「ダサイ」の意見について、その真意を解説・検証します。
BMWのマーク変更とは
BMWのロゴマーク意味の背景は、BMWは航空機メーカーを起点として、プロペライメージが定着しています。世の中一般的なイメージについては、上記の通りです。
BMW新ロゴは「ダサイ」のか?
印刷物に適用しデザインの自由度を求めると平面化(フラット化)が避けられず、従来の立体化デザインとの両立が難しい背景があります。新ロゴ、新エンブレムの背景を解説します。
立体ロゴから、平面ロゴで高級感が低下なのか?
立体デザインから、平面デザインで高級感が低下したのか?意見です。
新ロゴの目的や用途を正しく理解していない意見です。印刷物やWebがメインですから、平面に変わりなく、従来デザインと比べて高級感が低下したとは言えないでしょう。むしろ、背景色の透過などデザイン面の自由度がアップし、高級感が増すケースもあるでしょう。
BMW新ロゴ登場で、旧ロゴの古さや型落ちが明確化?
新旧のロゴで、旧モデルのが明確化のデメリットとして挙げられています。
ネット上「車の新旧がはっきりしてしまうデメリット」を挙げるサイトがありました。
本当でしょうか?
実態は、印刷物やWebがメインです。
新ロゴの目的や用途を正しく理解していない意見です。
コンセプトカーに採用された例はありますが、市販車(2021)のロゴも従来のままです。印刷物やWebがメインですから、車両に張り付けられたエンブレムは従来通りのロゴマークを併用し、継続使用されます。
BMW新ロゴは、ダサイのか?のまとめ
ネット上の意見は、新ロゴの目的や用途を正しく理解していない、単なるネタ意見と思われます。印刷物やWebのロゴと従来の車体用エンブレム・ロゴは、並行使用されますので、ダサイという指摘は全く的外れであるという、まとめになります。
BMW50周年のエンブレムがダサイ
BWW50周年の限定エンブレム
1972年創業のBMW Motorsports社(現在のBMW M社)は2022年5月24日に50周年を迎えました。
それを記念し、MモデルとM Sportモデルには2022年限定で、BMW Motorsport社創立当時のエンブレムを復刻した記念エンブレム(フロント&リヤ、ホイール・センター・キャップ)が装着されています。
BWW50周年のエンブレムがダサイ
ノーマル車のオーナーが、この限定エンブレムへ、あえて変更される方がいる一方で、このエンブレムに違和感を覚える方も一定数いらっしゃるようです。
やはり、一般的なデザインを求める方にとっては、違和感を感じるデザインなのでしょう。
これは、部品交換により、どちらにも変更可能です。2022年限定品と捉えるかは、お好み次第です。
VWもロゴの変更を実施
2019年、VWも三次元の立体的マークから二次元の平面的なマークに変えました。
- 新しい企業イメージ確立『電動化』『コネクテッド』『ニュートラルなカーボンバランス』
- フォルクスワーゲン本社ロゴも変更、今後154カ国ディーラー約1万店でロゴ変更
VWのブランドイメージ改革
VWが、電動化を含めてここまで企業イメージの改善に躍起になっているのは、なぜでしょうか?
やはり、ディーゼル排ガス不正問題が尾を引いていおり、ディーゼルからの脱却による電動化やVWロゴの変更によるブランドイメージの再構築が挙げられます。
2012年から、2019年のマークは、大胆なデザイン変更が見て取れます。
ブランド再構築としては避けて通れないのがVWグループとも言えます。
ロゴ平面化によるコストダウン
ディーラーで使用するマークは白抜きとはならず、背景ブルーになるようで、
従来のマークと変わらない印象ですね。
全世界のディーラーに掲示しているマークの変更コストは、莫大なものとなるでしょう。
ただし、平面化により、従来よりもコストダウンはすると思わます。
BMWとVWの決定的な違い
電動化の時代にマッチしたブランド再構築。
この部分は、BMWもVWもコンセプトは似ていると思います。VWのように排ガス不正問題で叩かれているわけでもなく、ロゴマークのリニューアルの必然性としても重みは全く異なるでしょう。
フォルクスワーゲンがそこまでしてイメージを変えてゆこうとしているのに対し、BMWの今回の発表はちょっと「日和ったな・・・」という印象も否めず、意思の表明としてはやや中途半端。
この中途半端さが、BMWの「コストを気にして吹っ切れない」体質を表現しているとも思われ、「やるときはやる」フォルクスワーゲンとの差だと言えそうですね。
上記の記事内容は、VWロゴとBMWロゴの形状的な差異、本質的な違いを理解していないようです。
コストの問題
BMWディーラーの新古車問題や新店舗リニューアルの強制問題など、過去の背景をふまえれば、BMW本体としては、ロゴマークの付け替えコストは安い物でしょう。
実態としては、メーカー全額負担でなく、ディーラー側が負担します。今後の電動化対応に比べれば、ロゴマークの付け替えなど微々たるものです。
電動化対応としてBMWもVWも大改革を実施
BMWで言えば、「BMW iブランド」を先行投入しています。
さらに近年では、VWもBMW共に電動化対応としては、かなりの痛みを伴う大改革を行っています。
この大改革の中で、必要であればBMWも車両やディーラーのロゴマークの変更も行っているでしょう。
- デジタル媒体に特化したデザイン面での発展性の確保(新デザイン)
- 車両やディーラーのロゴは従来通り(完成度の高いデザインであり、継続使用とする)
BMWは、コスト面から見送ったのではなく、根本的な用途が異なる事を意味しています。
マーク造形の違い(VW)
VWのロゴは、「VW」の文字が輪郭と一体化しており、一体成型が可能です。
トヨタやホンダマークのようにマークの全体が一体化した形状ですから、強度を持たせつつ、コストダウンが図れます。
BMW新ロゴマークを車両やディーラーに適用しない理由とは
マーク造形の違い(BMW)
BMWのロゴは、「BMW」の文字が輪郭から離れており、一体成型が出来ません。
この物理的成約は大きな部分です。実際に車両へ貼り付けるとなれば、強度も要求されますので、車体に印刷することは難しいでしょう。
よって、立体整形の一体型エンブレムとして提供する必要があり、BMW文字の周囲の部分は、クリア(透過)素材を用いる必要があります。
コスト観点では、VWの造形とは全く異なる点が理解できると思います。
コンセプトカーでは、クリア(透過)部分一体型のエンブレムが貼られています。
コスト面で従来型に比べて高いのか安いのか不明ですが、透過部分は光の反射が異なりますので印刷物とは違う印象になりますね。
Webや印刷媒体では、当初の想定通りの色彩表現が可能となり、デザイン的な自由度が増します。これは、ロゴマーク変更の意図するところでしょう。しかし、コンセプトモデルで使用した透過ガラス、透過プラスチックを用いた素材による平面デザインのエンブレムは、意図したものではない可能性も高いのです。これが、市販車に用いない理由です。
よって、印刷物とリアルエンブレムを切り分けることに意義があるのです。
まとめ
- VWの排ガス問題をふまえたブランド再構築という大前提が、BMWとは異なる。
- ロゴマーク造形の決定的な違いがある。
- BMWとVWも電動化への取り組み、痛みを伴う莫大な投資を行っている。両社ともに投資コストをケチってはいない。
上記をふまえて、違和感を覚えたサイトの指摘は、中途半端ではありません。
VWもBMWもロゴ変更に伴う背景やロゴマーク自体の意味が根本的に異なるという「まとめ」になります。
コメント