BMW 320iと320dの維持費を徹底比較|新車・中古のコスト推移

メンテナンス

人気を誇るBMW 3シリーズ。その中核グレードが「320i(ガソリン)」と「320d(ディーゼル)」です。どちらを選ぶかで迷う人が最も気にするのは、走りよりもむしろ「いくらかかるのか」という現実的な部分ではないでしょうか。
ここでは、新車から購入した場合、そして5年落ち中古から購入した場合の両方について、5年・10年乗った場合のコスト推移を具体的に整理します。
単なる数字の羅列ではなく、実際のオーナー感覚に近い視点でまとめています。

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BMW 320iと320dの基本スペックと性格の違い

まずは前提として、それぞれの特徴を簡単に整理します。

項目 320i(ガソリン) 320d(ディーゼル)
エンジン 2.0L 直4ターボ(ハイオク) 2.0L 直4ディーゼルターボ(軽油)
実燃費目安 10〜16km/L 14〜22km/L
トルク特性 回して楽しむタイプ 低回転から力強い
燃料単価 ハイオク(高い) 軽油(安い)

118iと118dなど、他車種でも考え方は同じです。
街乗り中心なら320iの滑らかさが心地よく、高速主体なら320dの燃費とトルクの恩恵が大きい。この違いが、そのまま維持費にも反映されます。

新車から5年乗った場合の総コスト

まずは新車購入を前提とします。
車両価格はおおよそ以下のレンジです。

  • 320i:およそ550万〜600万円
  • 320d:およそ580万〜650万円

ここでは平均600万円で試算します。

減価償却(最大のコスト)

BMW 3シリーズは5年でおおよそ新車価格の45〜55%が下落します。

600万円で購入 → 5年後の下取りが約300万円前後。

この時点で約300万円が実質コストです。

5年間のランニングコスト目安(年間1万km走行)

項目(5年合計) 320i 320d
燃料費 約85〜100万円 約60〜75万円
車検・整備 約60〜80万円 約70〜90万円
保険・税金 約70〜90万円 約65〜85万円
減価償却 約300万円 約300万円
5年総額 約515〜570万円 約495〜550万円

新車5年保有では、どちらを選んでも500万円前後が現実的な総支出になります。

ディーゼルは燃料で有利ですが、車両価格がやや高く、整備コストも若干上振れする傾向があります。

新車から10年乗った場合の総コスト

10年保有になると話は変わります。
減価はすでに進んでいるため、後半は「修理リスク」が主役になります。

10年時点の価値

  • 600万円 → 約150〜200万円程度

減価償却総額は約400〜450万円。

10年総コスト概算

項目(10年合計) 320i 320d
燃料費 約180万円前後 約130万円前後
整備・修理 約150〜200万円 約170〜230万円
保険・税金 約150万円前後 約140万円前後
減価償却 約420万円 約420万円
10年総額 約900万円前後 約860万円前後

新車から10年乗ると、総支出はおおよそ車両価格の1.5倍規模になります。

5年落ち中古から購入した場合(ここが最もコスパが高い)

次に5年落ち中古からスタートしたケースを見ていきます。

  • 購入価格:約250万〜350万円

ここでは300万円で試算します。

5年保有(=車齢10年)

項目 概算
購入価格 300万円
5年後の価値 150万円前後
減価償却 約150万円
5年維持費合計 約250〜300万円
総支出 約400〜450万円

新車5年保有と比べると、100万円以上差が出るケースもあります。

さらに10年乗った場合(車齢15年)

この場合、修理リスクは増しますが減価はほぼ終わっています。

  • 車両価値:ほぼ底値(50万円前後)
  • 大型修理:足回り・冷却系・電子制御系の可能性あり

総額はおよそ600万円台に収まるケースが多く、新車10年保有より300万円近く抑えられることもあります。

320iと320d、長期維持での差

項目 320i 320d
燃料コスト 不利 有利
短距離使用 向いている DPF詰まり注意
長距離高速 平均的 非常に相性が良い
10年維持安定性 比較的シンプル EGR・DPF管理が鍵

年間走行距離が多いなら320dが有利。
街乗り中心で距離が少ないなら320iのほうが安心して乗りやすい。

ディーゼルとガソリンの「燃費・コスト以外」で考えるべき判断ポイント

BMW 320i(ガソリン)と320d(ディーゼル)を比較するとき、燃費や維持費の話が中心になりがちです。
しかし実際に長く所有するとなると、それ以外の部分が満足度を大きく左右します。

ここではお金以外の視点で、選ぶ・選ばないを判断するための現実的なポイントを整理します。

① エンジンフィールの違い(運転の楽しさ)

比較項目 ガソリン(320i) ディーゼル(320d)
回転の伸び 滑らかで高回転まで自然に回る 早めにシフトアップする特性
加速の質 リニアで気持ちいい 低回転から一気に前に出る
音質 静かで洗練 ややメカニカル感あり

スポーティさやエンジン音の心地よさを重視するならガソリン。
力強いトルク感で余裕ある走りを求めるならディーゼルが合います。

② 静粛性・振動

現行のBMWディーゼルはかなり静かになっていますが、それでも完全停止直前や冷間始動時には独特の音と振動があります。

  • 早朝出発が多い
  • 住宅密集地に住んでいる
  • 静粛性に敏感

こうした環境ではガソリンのほうがストレスが少ない傾向があります。

③ 短距離使用との相性

ディーゼルは排ガス浄化装置(DPF)を定期的に再生させる必要があります。

  • 片道5km未満の移動が中心
  • 渋滞ばかりの市街地走行

このような使い方が続くと、DPF関連トラブルの可能性が上がります。
短距離中心ならガソリンのほうが気楽に使えます。

④ 長距離・高速巡航の快適性

高速道路主体ならディーゼルの真価が出ます。

  • 回転数が低く抑えられる
  • トルクが太く追い越しが楽
  • 巡航時の余裕がある

年間1万km以上走る人にはディーゼルの満足度は高い傾向があります。

⑤ 将来のリセール(市場人気)

BMWのディーゼルは中古市場でも人気があります。
特に走行距離が伸びる使い方を想定する層には評価が高い傾向です。

一方で、都市部中心の使用や低走行車ではガソリンも安定した需要があります。

⑥ メンテナンス性と構造の違い

項目 ガソリン ディーゼル
構造の複雑さ 比較的シンプル EGR・DPFなど装置が多い
オイル管理 標準的 よりシビア
長期保有時の注意 電装系中心 排気系トラブルに注意

10年以上乗る予定なら、ディーゼルはメンテナンス履歴が特に重要になります。


⑦ 乗り心地の印象

エンジン特性の違いは車全体の印象にも影響します。

  • ガソリン:軽やかで俊敏な印象
  • ディーゼル:どっしりと安定感がある印象

これは試乗するとすぐに分かる部分です。数字よりも体感で決めたほうが後悔は少なくなります。

⑧ ライフスタイルとの相性

最終的に重要なのは、生活パターンとの相性です。

  • 街乗り中心・静かさ重視 → ガソリン
  • 高速移動が多い・長距離通勤 → ディーゼル
  • 短距離+たまに遠出 → ガソリン寄り
  • 年間1.5万km以上 → ディーゼル有利

まとめ|数字ではなく「使い方」で決める

燃費や維持費の差は確かにありますが、決定的なのは使い方と好みです。

・エンジンの質感
・静粛性へのこだわり
・走行距離
・長期保有予定かどうか

この4つを整理すると、自然と答えは見えてきます。

試乗して「こっちがしっくりくる」と感じた方を選ぶ。それが一番後悔の少ない選び方です。

結論|どの買い方が最も合理的か

  • 総コスト最小 → 5年落ち中古を購入し5〜10年乗る
  • 安心感重視 → 新車購入し5年以内に売却
  • 長距離ユーザー → 320d
  • 街乗り主体 → 320i

輸入車は「買い方」で差が出ます。
新車は快適ですが、減価のインパクトが大きい。
中古はリスクもありますが、価格の落ち着いたタイミングを狙えばコストパフォーマンスは高い。

どちらを選ぶにせよ、走行距離・整備履歴・保証の有無をしっかり確認することが、結果的に一番の節約になります。

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