BMW 2シリーズ アクティブツアラーはなぜ不人気・売れない・ダサいのか

BMWコラム

BMW 2シリーズ アクティブツアラーは、市場やネット上で「不人気」「売れない」「ダサい」と語られることが多い車だ。
しかし、実際の販売実績や競合関係を丁寧に見ていくと、単純な人気・不人気の話では説明できない構造が浮かび上がる。本記事では、感情論を排し、販売順位・用途価値・ブランド期待・市場トレンドという複数の軸から、2シリーズ アクティブツアラーが置かれていた立場を整理する。

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2シリーズ アクティブツアラーの概要

BMW2シリーズ アクティブツアラーは、BMW初の前輪駆動ベースMPV(コンパクトミニバン)として登場したモデルだ。
背の高い2ボックス形状、広い後席と荷室、日常用途に振り切ったパッケージを持ち、「家族で使えるBMW」を明確に意識した商品です。

価格帯はプレミアムコンパクトに位置し、同クラスにはメルセデスベンツBクラスが直接の競合として存在する。

2シリーズ アクティブツアラーの歴史

初代アクティブツアラーは2014年に登場した。
BMWとしては異例のFF採用で話題を集めた一方、「BMWがなぜミニバンを?」という戸惑いも同時に生んだ。

初代モデルでは「グランツアラー」という3列シートモデルも存在し、より日常用途に振ったモデルも存在しました。

2代目では内外装の質感や先進装備が大幅に進化したものの、市場環境はすでにSUV全盛期へと移行しており、カテゴリ自体が逆風を受けるタイミングでもあった。

そもそも BMW 伝統と違う「実用重視」の設計

BMWは長年「ドライバーズカー」を中核価値としてきたブランドだ。
後輪駆動、ハンドリング、運転感覚といった文脈が強く、アクティブツアラーの実用最優先・FF・背高ボディは、従来のBMW像と距離があった。

ただし重要なのは、「走りを期待して買われたか」という点ではない。
多くの購入検討者は、この形状を見た段階でスポーツ性を主目的にしていない。
問題は、BMWである必然性をどこで感じ取るかが分かりにくかった点にある。

これは、BMWイメージの押し付けであり、グランツアラー指名買いが目的の購入者にとっては、サイズ感やユーティリティが再優先事項であり、どうでも良い事柄でもありましが。

「ミニバン=ダサい」というイメージの根強さ

欧州・日本を問わず、ミニバンやMPVは「実用車」という記号で語られやすい。
SUVがライフスタイルやアクティブさを象徴する存在になった現在、ミニバンはどうしても地味に見えやすい。

この評価は車そのものというより、時代の空気に左右される部分が大きい。
アクティブツアラーは、その空気の変化を正面から受けてしまった。

外観デザインの評価が分かれる(好みが分極化)

アクティブツアラーのデザインは、機能性を優先した結果、プロポーションがミニバン的になっている。これを「合理的」と見るか、「野暮ったい」と見るかで評価は割れる。

SUVのような力強さや、クーペ的な流麗さを期待する層からは、どうしても印象が弱くなりやすかった。
特にBMWイコール「走り、FR、エンジン」のイメージが植え付けられた世代にとって、違和感が強かったのでしょう。

市場トレンドの変化(SUV全盛)

決定的だったのは、市場トレンドの変化だ。
現在のSUVは、低床化・FF化・室内拡大が進み、かつてミニバンが担っていた役割をほぼ代替できるようになった。

特にBMWでは、BMW X1が、価格・広さ・使い勝手の面でアクティブツアラーと重なり、「SUVで十分」という判断を促す存在になった。

「安いBMW」という評価が裏目に出る

アクティブツアラーはBMWの中では比較的手に取りやすい価格帯にあった。
これは本来メリットだが、同時に「安いBMW」というラベルを貼られやすくもあった。

プレミアムブランドでは、価格の分かりやすさが必ずしもポジティブに働かない場合がある。

評価が分かれる走行/ブランド評価

走行性能そのものは、同クラスのMPVとして見れば水準以上だ。
ただし、BMWという名前が付いた瞬間に、評価軸が厳しくなる。

結果として「悪くはないが、特別でもない」という印象に落ち着きやすかった。

「ミニバン=不人気」は事実と矛盾している

ミニバン自体が不人気なら、トヨタ・シエンタホンダ・フリードは成立しないため、安価なミニバン市場は、成立していると考えられます。

問題は形状ではなく、プレミアムコンパクトMPVという市場が小さい点にある。

販売台数比較(欧州・日本:Aクラス、Bクラス、1シリーズ)

モデル セグメント 販売規模(欧州) 位置づけ
BMW 1シリーズ プレミアムハッチ 多い 主力
メルセデス Aクラス プレミアムハッチ 多い 主力
BMW 2シリーズ アクティブツアラー コンパクトMPV 中位 ニッチ
メルセデス Bクラス コンパクトMPV 少なめ ニッチ

Bクラスとの比較が「実態」を最も正確に示す意味

用途・価格・車格が最も近いのはBクラスだ。
この比較で見ると、アクティブツアラーは決して致命的に劣ってはいない。
欧州市場において、アクティブツアラーはBクラスの2倍の販売台数を記録しており、「ミニバン=走りを求めない」という、BMWイメージとはかけ離れた用途でも成立していることを示しています。

むしろ、このカテゴリ自体が大きく伸びないという事実が浮かび上がる。

よくある質問

Q. 本当に失敗作なのか?

販売実績を見る限り、市場から完全に拒絶されたわけではない。
役割を終えつつあるカテゴリ(高級コンパクトミニバン)に投入された、という見方が近い。

Q. BMWである意味はなかったのか?

意味はあったが、SUVほど直感的ではなかった。
初代では一定の意味を果たしていた結果、2代目の登場に繋がった。
それが選択率の差につながった。

SUVのX1に収れんする流れ:まとめ

最終的に、多くのユーザーはX1を選ぶ傾向となっています。
理由はシンプルで、見た目・人気・実用性を一台で満たせるからだ。

こうして、コンパクトMPVはSUVに役割を吸収されるという世界的なトレンドが完成した。
ただし、世界の地域、ユーザー嗜好によっては、今後もミニバンを求める市場は一定存在するため、今後のニューモデルが消滅することを示しているわけではありません。

2シリーズ アクティブツアラーは、不人気車というよりも、時代の転換点に置き去りにされた合理的な車だった。

 

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