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BMW CEOは水素エンジンの可能性を全否定

モータースポーツ
FUN君
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BMWはモータースポーツへ水素技術の導入を検討してますが「水素エンジンは全否定」している点が興味深いです。BMWの水素に対する取り組みと考え方を解説します。

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BMWのCEOが語る水素の未来

AUTO SPORT誌より引用

 BMW Mのフランシスカス・ファン・ミールCEO(最高経営責任者)は、BMWは水素燃焼エンジンのコンセプトを信じておらず、その代わりに水素ベースのレースプログラムに燃料電池技術を組み込むことを検討していると語った。

提携するトヨタとは反対の考え方

ミュンヘンの自動車メーカーは、2027年に延期されたル・マン24時間レースでの水素クラス創設を目指す技術ワーキンググループに参加しています。
しかし、BMWの水素エンジンに対する考え方は、そのアプローチはトヨタやアルピーヌと対立するものである。

トヨタとルノーは水素エンジンでの参加を発表

トヨタとルノーは、水素をガソリンの代わりとなる燃料として用いる内燃機関、いわゆる水素エンジンを搭載したコンセプトカーを発表しています。

他メーカーは水素燃料電池車での参加を発表

これとは対照的に、ル・マン24時間の主催団体であるACOフランス西部自動車クラブは水素をレースに普及させるために燃料電池を中心に取り組んでおり、現在活動中のLMP3ベースのH24プロトタイプと昨年発表されたH24EVOの両方が水素燃料電池の技術を利用しています。

BMWが水素エンジンに反対する理由とは

2005年の実験で懲りた

BMWは2005年に水素燃焼エンジンを搭載した7シリーズを発表しています。しかし、その試みは失敗に終わり市販化の道は途絶えました。

水素エンジンを失敗と判断した理由、デメリット

  • 水素燃焼エンジンで物を燃やし始めると、排気ガスが発生する。
  • 水素エンジンでも微量の二酸化炭素や窒素酸化物が排出される。

しかし燃料電池では、テールパイプから水が出るだけであり、クリーンな技術であり、CO2排出量の削減にも貢献するのです。

BMWもEV一極集中の路線から変更

BMWのCEOは、EV一極集中の方針を変換し、他の欧州メーカーと同様にICEをベースとしたハイブリッド車に注力する方向感を表明しています。(2024年以降)

マルチパワートレインの戦略の中に、水素燃料電池車を含みますが、関連ニュースの記事内容については、カタチだけのポーズと解釈するべきです。

ステランティスの水素分野撤退が示すもの

内燃エンジンとして多くの老舗自動車メーカーを抱えるステランティスグループは、その雇用を支えるための未来の救世主として、水素燃料電池車の開発・生産体制を整えました。
しかし、全世界的な水素低迷・撤退の流れには逆らえなかったようです。

普通なら即生産中止なのに、意地で売るトヨタMIRAI

日本国内でもトヨタMIRAIの月販10台未満の台数により、水素インフラも増えず、税金投入の補助金三昧の水素価格も高騰し、既存ユーザーの離脱を加速する結果となっています。
「将来的な自動車雇用を守る目的を最優先させた結果」、水素生産のコスト低下は進まず、BEV以上の税金投入など、BEVよりも完全に経済的合理性を完全に無視した実態が、世界的に明らかになってきたようです。

BMWが水素燃料電池車への期待と絶望:まとめ

  • 2011年からトヨタの技術供与を受けて、水素燃料電池車を試作
  • 現在、トヨタ製の水素スタックを用いたトヨタMIRAIベースの技術をBMW X5に搭載
  • X5試験車両が登場し、すでに数年が経過
  • しかし、市販化の気配なく、2030年まで様子見

結果、現在は、BMWは水素燃料電池車としての市販化を推進していますが、その市販化も積極的でない点が重視すべきポイントです。

BMW水素燃料電池車の価格と発売時期とは
BMWでは水素燃料電池車として、X5をベースとした試験車両が登場しています。興味のある方も居ると思いますが、今後の市販化予定を含むBMW社の動向を解説します。

水素スタンドのインフラ拡充が一向に進まない

  • 世界的に水素製造が難航し、水素スタンドの普及が進まず、EVスタンドとの差が開くばかり
  • BMWが推進するBEVとは相反するシステム(水素ソリューションは環境宣伝用途)
  • 車載水素タンクは大きく、寿命もあり、現時点で課題山積み
  • トヨタ製の最新MIRAIも販売低迷、中古価格暴落

上記の状況からルマンのレースで水素のメリットを宣伝する時期ではないことを悟っているBMWという「まとめ」になります。

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