
「BMWツインパワーターボ」と「BMWツインターボ」としての違いを解説します。
「BMWツインパワーターボ」とは
ツインパワーを支える二つの技術
- ツインスクロールターボ
- バルブトロニック
二つの革新的技術を複合的に活用することから「ツインパワー」と呼んでいます。これまでシングルタービンでは改善が難しいとされていたレスポンスや燃費の悪化をなくし、パワーを引き出しながらも燃費をも大きく改善する結果に繋がっています。
Efficient & Dynamics
2010年以降、BMWの環境テーマとして、「パワーを引き出しながらも燃費をも大幅に高める」という哲学をイメージテーマとして掲げており、技術的な支えとなるものです。
「ツイン・スクロール・ターボ」とは
一般的なターボチャージャーではタービンへ排気ガスを取り込む流路は1つです。
ツインスクロールターボの特長
- ツイン・スクロール・ターボではそれを2つに分ける
- 排気力が弱い低回転でも素早く、排気力が極めて強い高回転でも逃さない
- 上記により、効率的にタービンを回転させる技術を指す
「バルブトロニック」とは
可変吸気システムの特長
- 吸気システムにはBMWが世界で初めて実用化した「バルブトロニック」を採用。
- 従来、吸入空気量は吸気管のスロットル・バルブの開閉で調整することが常識でしたが、BMWは吸気の抵抗となるそのスロットル・バルブを廃止するという、画期的なアイデアを実現。
- シリンダー入口の吸気バルブの開度量を1/1000秒レベルで高精度に電子制御することで力強い爆発燃焼とダイレクトなレスポンスを両立。
- スポーティーな走りはもちろん、燃費の向上も果たしています。
BMWツインターボとは
ツインターボとシングルターボの違い
BMW製6気筒ターボエンジンにおいて、N54型からN55型への変更となった際、ツインターボからシングルターボとなりました。
- N54型エンジン:ツインターボ(ターボは2基)
- N55型エンジン:シングルターボ(ターボは1基)
シングルターボ化はツインパワーによる効果
- 別々の排気管が、互いに作用するシリンダーを分離することで、排気圧力の干渉を防止し、全体的な排気の流れがスムーズになる
- 点火遅れを長くしたチューニングが可能になる
- 燃料と空気の混合気がわずかに希薄になり、エンジン温度と全体的な効率も向上
- 上記の効果により、2基のターボを設置せず、1基のターボで同様の効果が得られるものです
ツインパワーの欠点
ツインパワーという「ツインスクロールターボ」「バルブトロニック」の2つの機構を追加する必要があるため、単純なシングルターボに比べて、コストアップや複雑化は避けられません。
ツインターボより、ツインパワーの方がメリット大
2基のターボ追加より、ツインパワーターボの方が、コストや性能面でのメリットがあるという判断から、N55型エンジンでは、シングルターボ化になったという結論となります。
V8エンジンではツインパワーターボのツインターボ化
MツインパワーターボエンジンのS63型V型8気筒エンジンでは、よりパワーを追求するため、ツインパワーターボの仕組みを片バンク4気筒毎に2基搭載した「ツインパワーターボ × 2基」となるツインターボ構成となっている点がポイントです。
BMWツインパワー ターボとツインターボの違いとは:まとめ
- ツインパワーを支える二つの技術として「ツインスクロールターボ」「バルブトロニック」から成り立っている
- ツインターボは、二基のターボを指す
- ツインパワーターボ化により、ツインターボを置き換えることが出来た
- MモデルのV8搭載車は、ツインパワーターボを二基搭載する構成
- ツインパワーターボの仕組みより、「Efficient & Dynamics」として掲げたハイパワーと燃費向上に寄与している
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