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BMW「新型5シリーズ」が7より3に似ているワケは本当か

BMWコラム
FUN君
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東洋経済誌に掲載された「BMW「新型5シリーズ」が7より3に似ているワケ」の記事について、やや違和感を覚えましたので意見を書いてみます。

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ヨーロッパにおける5シリーズの立ち位置に理由がある

「カンパニーカー」という自動車貸与の制度

ヨーロッパでは“ちょっと違うポジショニング”になっている印象を抱いている。ヨーロッパには「カンパニーカー」という制度がある。企業が中間管理職などに向けて、通勤用の自動車を貸与するというものだ。

この制度は各社様々であり、中間管理職向けに提供車に規則性がある取り決めも存在しません。

つまりヨーロッパでは、BMWの中でも7シリーズは別格なのだ。長きにわたり階級社会が存在していた地域ならでは、と言えるかもしれない。そんな状況から想像すると、新型5シリーズセダンのスタイリングが、7シリーズより3シリーズに近いのは、納得なのである。

7シリーズがBMWのトップモデルに位置することに変わりないし、階級社会の存在も従来通りです。
1/3/5/7シリーズに格差があるのも事実です。
しかし、「新型5シリーズセダンのスタイリングが、7シリーズより3シリーズに近い」という理由にはならないでしょう。

7シリーズはロングボディ一本

ちなみに先代7シリーズの標準ボディのサイズは、新型5シリーズに近かった。つまり新型5シリーズは、先代7シリーズの標準ボディのユーザーの受け皿とも言える。

BMWのロードマップ計画に従って、全体的に大型化するという方針なのでしょう。
ボディ大型化のライフサイクルは、その時代のトレンドに合わせて何回も行われている背景があります。
その流れに従い、結果的に5と7のセグメントが重複するのは、過去にもあった話です。

逆に言えば7シリーズはロングボディ一本にしたからこそ、あの形にできたのだと考えている。

「あの形」の理由になっていません。
G70型7シリーズを全体的にコンパクトにした5シリーズのCG予想図なども複数出回っており、単に横に細長いLEDライト形状でなく、2023年に5シリーズよりも一足先に登場したLCIモデルX5/X6トレンドのデザインに収まっただけです。
プラットフォームとしては、5シリーズと7シリーズで共通シャーシとしており、このあたりも5と7での共通設計思想は従来からの流れです。

BMWの最新トレンドを入れつつも

キドニーグリルは丈がやや長くなり、ヘッドランプは吊り目気味になった。とはいえ7シリーズのように、ナンバープレートを下端に追いやるほどではなく、ヘッドランプは一般的な厚みを持つ。これまでのBMW顔に慣れ親しんだ層に、配慮したようだ。

G70型7シリーズのデザインは、G11型の先代後期モデルのグリル大型化の影響を強く受けていると思われます。その結果として、グリル、ナンバー位置、ヘッドランプ形状は独自の進化を遂げていると推察されます。
このデザイントレンドはX7と7シリーズに留まり、BMW全体のトレンドとして波及しなかったという結果です。

インテリアの主役となるBMWカーブドディスプレイ

カーブドディスプレイは、大小サイズが分かれており、2022年モデルから採用されておりディスプレイ自体は単にBMWのトレンドに合わせた装備になっているに過ぎません。
むしろ、新5シリーズ(G60型)の方が、インテリアのアンビエントライトの作り込みは、ほぼ7シリーズ(G70型)のエッセンスを踏襲しています。

BMW「新型5シリーズ」が7より3に似ているワケのまとめ

  • 新7シリーズ(G70型)のデザインは、先代7シリーズ(G11型の後期)のデザインをリニューアルし、X7でも共通のエッセンスを取り込んだチャレンジングなものです。
  • ボディサイズの大型化は、今後のBMW全車における、全体計画の一貫
  • 新7シリーズ(G70型)のデザイン(横長LEDと大型グリル)は、2022年以降の全モデル展開のデザイントレンドとして採用されなかっただけです。
  • 新5シリーズ(G60型)のデザインは、先行して登場しているX1/X5/X6/2シリーズの最新のBMWデザイントレンドの流れを汲んでいるだけです。

よって、冒頭にある階級制度を考慮した差別化が背景では無いことは明らかです。
また、従来から、5シリーズと7シリーズで共通設計思想としているシャーシ、機能やデザインは数多く存在しています。むしろ、3シリーズと5シリーズでのコストの掛け方においては、大きな壁があり、5シリーズと7シリーズの方が、近い位置にあると考えるのが妥当でしょう。
デザインが3よりになったと感じられるのは、単に最新のBMW全体のデザイントレンドに従った結果に過ぎないという結論です。

BMWコラム
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