最新BMWにはメーターとセンターモニターが一体化したカーブドディスプレイが搭載されています。インターフェースや操作性が変わり、iDrive8/8.5バージョンについては、不満の声が多いようです。評価、評判、状況と対応策を解説します。
BMW カーブドディスプレイ
BMW iDriveの第1世代がデビューしてから、20年が経過し、iDrive8.0より、一体化したディスプレイに進化しました。
- 運転席メーター:12.3インチ(インフォメーションディスプレイ)
- センターモニター:14.9インチ(コントロールディスプレイ)
特徴
- iDrive7.0では、BMWの独自O/Sとして進化を遂げてきましたが、iDrive8.0から、スマホとの統合化、連携強化を実施しました。
- iDriveのO/Sは先代踏襲のLinuxべースですが、インターフェースのスマホ化を実施
- これにより、従来アプリ機能を踏襲せず、全てスマホアプリ化による新設計を実施しており、インターフェースや機能が大きく変更
- ディスプレイパネルのタッチ機能を操作によるハードのボタン廃止
- 音声コントロールも可能
- iDriveコントローラーは、センターコンソールに配置(2シリーズ以下のモデルは省略)
システム・スペック
- 解像度:206ppi
- プラットフォーム:Apollo Lake
- CPU:Intel Atom X7-3960チップ
- OS:Linuxシステム
3シリーズ以上
- 運転席:12.3インチ(1920×720ピクセル)
- センターモニター:14.9インチ(2880×1080ピクセル)
2シリーズ以下
- 運転席:10.25インチ(1920×720ピクセル)
- センターモニター:10.7インチ(1920×720ピクセル)
カーブドディスプレイは、日本のジャパンディスプレイ(JDI)製という話もありますが?です。
7シリーズの後席用31インチディスプレイ
表示解像度:7680×2160ピクセル(4K/UHD表示可)
ドライバー用ディスプレイ
- 200ppiの高解像度
- ステアリングホイールのスイッチで機能を選択
- 2軸のオペレーティングシステムにより、ロータリーキーを使用した垂直リストナビゲーション、水平方向に傾けることによるメニューの切り替え可
ヴィジェット
ハンドル上の親指操作
3種類のレイアウト変更可
- ドライブレイアウト:ディスプレイ中央に、カスタマイズ可能情報表示
- フォーカスレイアウト:ダイナミックな走行シーン向け表示
- ギャラリーレイアウト:ウィジェットコンテンツ向けの表示重視
センターモニター:コントロールディスプレイ
- 3次元のカラーアニメーション。12.3インチから14.9インチへ大型化
- ウィジェット:ホーム画面のウィジェットの表示レイアウトをカスタマイズ可
- メディアプレーヤー:表示方法の変更可
- ショートカット設定可(従来の物理ボタンは無くなりました。
iDrive8.x操作性の欠点
インターフェースや操作性の変更は許容できるかもしれません。
スクロール操作がスムーズでない
タッチ操作とダイヤル操作の操作性の違い。
このあたりは、慣れの問題かもしれませんが、スマホと同等のなめらかなスクロール感が得られません。このあたりは、改善の余地ありです。
10.7インチと14.9インチで表示量に差がある
縦横比率が同一でなく、ピクセルサイズが異なるため、情報量に差がでてきます。
1/2/X1/X2シリーズに搭載の10.7インチと、上位モデルの14.9インチとの差があるのは仕方がない部分です。
2シリーズ以下では、物理コントローラを廃止
手を伸ばせば届いたiDriveの物理コントローラは、無くなりました。
通常の運転ポジションでは、画面タッチが出来ませんので、画面タッチのために前かがみとなる動作・操作を強いられます。
画面に注視してタッチする操作を強いられるため、操作性にも難があります。
iDrive8.xナビの欠点
ナビ2画面表示は不可
iDrive7以前は、左右で縮尺の異なる地図を同時表示することが出来ました。
全体像を把握しながら、拡大図を確認でき、非常に便利な機能だったと思います。
従来のカーナビ機能としては、標準的なものであり、当然とも言うべき機能です。
しかし、ナビ2画面表示が出来ないという機能削減は致命的です。
せっかくのワイド大画面が活かされていません。
ARカメラ機能で2画面表示が出来ない
- フロントカメラ映像で、走行中映像とナビ矢印をオーバーラップさせた表示
- 従来の地図表示
上記を並列に表示した2画面同時表示が可能です。
高速道路上のSA/PA/ICまでの距離表示なし
高速道路走行中、次の休憩地点までの距離が知りたいケースなど、便利な表示でしたが、この機能がありません。
従来のカーナビ機能としては、標準的なものであり、当然とも言うべき機能です。
ナビ走行中、他操作を行った後、元画面に戻らない
自動復帰しません。
ナビ(NAVI)ボタンをクリックする必要があります。
iDrive8.xが使いづらい点の対応策
iDrive6/7ユーザーから見て、機能ダウンも多く見られます。
バージョンアップによる改善は期待できません。
- 機能削減の点については、諦める
- ボイスコントロールでの操作に慣れる
- ショートカットアイコンを配置する
- CarPlayやApple carpayを併用し、ナビ機能はそちらをメインに利用する
iDriveの改善予想
iDvive8.0での欠点は、8.5バージョンアップでも抜本解決に至っていません。
2023年、X2(U10型)より搭載された、iDrive9.0より、Android automotive社製のオペレーティングシステムとなり、アンドロイドとのマッチングが強化されます。
- 7.0から8.0へのバージョンアップにより、従来アプリを踏襲せず、全てスマホアプリ化による新設計を実施したため、機能劣化を招いた
- LinuxからアンドロイドのO/S変更による抜本的な改定
- アンドロイドアプリのシームレスな実行
- 指摘された操作性の改善
- 高精細ディスプレイを活用した情報量や機能の改善
8.xから9.xへのバージョンアップ可否
エミュレーションとは異なり、O/Sの入れ替え、フルインストールのやり直しを伴うものです。これは、従来のバージョンアップとは異なり、非常にリスクの高いソフトウエア操作です。
Androidは、Linuxベースであり、サーバーOSの信頼性をベースとして、スマホ用に進化してきたものです。当初は、Linux用ハードがベースでした。
すでに、ボルボやホンダなど、Androidへの刷新と市販化を実施済です。各メーカーの旧独自O/S(Linux用ハード)との親和性が高く、移行も容易だったと思われます。それが、各社の独自OS開発を止めて、アンドロイド化に踏み切った理由です。
ベースのCPUによって、8.0→8.5へ更新可能な機種もあります、8.x→9.0は不可となります。
iDrive9.0を搭載モデル
iDvive9.0により、ベースO/Sがアンドロイドとなりました。
2023年11以降生産分の下記モデルより、搭載されるようになっています。
- X2(U10型):全モデル適用
- X1(U11型)、2シリーズアクティブツアラー(U06型):2023年11月生産分以降より、適用
- 上記以外のカーブドディスプレイモデルは、8.0及び8.5を搭載
コメント