過去の歴代BMWの中でデザインがひどい、デザインが迷走という声が多いモデルをピックアップします。販売台数的にはヒットモデルですが、デザイン的に賛否両論となったモデルを解説します。
デザインがひどい・迷走の定義とは
前期モデルに対して、後期モデルが大きく変化したものを「デザインがひどい・迷走」として定義しています。
そのため、対象モデルは前期モデルとなり、後期モデルは一定の改善が見られた結果となります。
単純に後期モデルとして、当時のBMWデザイントレンドを取り入れてリニューアルしたものは除外しています。また、販売台数として不人気のモデルもありますが、前期・後期で大きな変化が見られなければ、「販売的に失敗」の理由をデザインが原因とは定義しません。
BMW F20(2代目1シリーズ)前期モデル
写真の左がマイナーチェンジ前、右がマイナーチェンジ後となります。
BMWでは、ビッグマイナーチェンジをLCIやフェイスリフトとも呼びます。
直近のBMWとしては、この1シリーズが一番記憶に新しいモデルではないでしょうか?
2代目1シリーズは、ターボ化されたトルクフルなエンジンと8ATを組み合わせたFR(後輪駆動)モデルとして、先代のE87型からメカニズムも一新され、他にFRコンパクトのライバルも無く、圧倒的なアドバンテージだったのですが、一番の敗因は、このタレ目のライトだったのです。
上記の写真右は、MスポーツのグレードであるためMスポーツバンパーが装着され、フロント側から見た際にそれほど違和感は感じないかもしれません。
後期型のF20は、前期のデザインを踏襲しつつ、ネガィティブな部分を全て無くし、無難なスタイリングに一新するデザインとなっています。
F20の前期ノーマルグレードが不人気
Mスポーツのバンパーと異なり、ノーマルグレードのバンパーです。
ライトとグリルの下の空間が広がり、「タレ目」を強調するスタイリングとなっています。
F20のテールランプは失敗では無い
F20のマイナー後モデル(後期)では、テールランプの形状も大きく変化し、セダンモデルのような横長のL字型テールランプとなりました。一見、F20前期モデルのテールランプが失敗だったかのように語るサイトもありますが、先代E87もスクエアな四角いテールランプであり、ハッチバックモデルとしては、ごく普通の形状と言えます。(VWゴルフ、ポロなど)
F20後期のテールランプの方が、デザイン的なインパクトはあり、カッコも良いのですが、前期F20の方が、ハッチバックモデルらしいデザインだったとも言えます。
BMW G42(2代目2シリーズクーぺ)前期モデル
すでに、スクープ写真から海外サイトでは「ugly(醜い)」のキーワードが、いくつも並ぶほどの勢いです。後期モデル(LCI)では一新されそうなスタイリングです。
下記の写真(上段は現行モデルG42、下段は先代モデルF22)
まずは、そのフロントマスクのライトです。F20の前期同様にタレ目ライトを踏襲しています。
BMW伝統の4灯ヘッドライトを止め、2灯のデザインとなっていますが、F20タイプのタレ目は、どの時代でもNGの烙印を押されます。F20ほど愛嬌のあるマスクでもなく、好き嫌いが顕著に出そうなデザインです。
ライト形状のブサイク度では、レクサスisのマイナー前モデルに匹敵しそうな印象です。
自動車デザイン失敗作の王道とも言えるデザインですが、デザイナーに学習能力はないのでしょうか?少なくとも経営陣がNGを出すべきですが、デザイン統括責任者がOKを出したのでしょう。
制約のあるボディサイズで、伸びやかなクーペスタイリングを実現するのは難しく、先代1シリーズ、2シリーズクーぺも苦心の跡が伺えますが、どれも素晴らしいデザインであったと思います。
今回のG42型のデザインは、後期型では、大きく変更されると予想します。
テールランプも失敗作の典型例とも言え、テールランプの位置が先代よりもかなり下げられています。テールランプの位置が低い=尻下がり=トランクに厚みがある鈍重なイメージを演出します。
これも車デザインとして、失敗とされる典型例になります。
CG精度が低い点はご容赦願いますが、テールランプとナンバーの位置を少し上にずらしてみました。
これだけで、シャープで躍動感のあるヒップアップのデザインになります。
M2はデザインを大きく修正
酷いデザインのため、M2はライトとテールランプをM2専用で作り変えてくるかと思えば、バンパー形状の変更の大幅変更で対応するという大胆なリニューアルを行っています。
特にタレ目なライト形状について、ブラックの横スリッドを入れることで、ライト形状を変更したかのような修正が施され、全く別物に仕上がっています。
(デザインスケッチの当初デザインとは、全く異なるデザイン補正・修正の流れです)
バンパーの両サイドに大胆な縦スリッドのダクトをかなり高い位置に設置することで、テールランプ位置の低さをカバーしたデザインへ修正しています。
G42のデザイナーとは?
Jose Alberto Casas氏です。メキシコ人デザイナーで、最近ではコンセプトモデルも手掛けているようです。コンセプトモデルのレベルでは、インパクト・斬新さは重視なのも理解できますが、市販モデルにおいては、ハイリスク過ぎます。
屋台骨の1/3/5/7シリーズに悪影響が及ばない事を祈るばかりです。
BMW E65(4代目7シリーズ)前期モデル
クリスバングル氏によるデザインとして、世界的に有名なモデルです。
前期モデルは、ライトとテールランプ形状として当時としては、かなりの斬新さとインパクトがあり、そのクセの強さから、後期型は無難なデザインにリニューアルされました。
デザイン的なインパクトから、他メーカーに与えた影響も大きく、結果的(販売台数も先代より売れた)には成功モデルと評価される一面もあります。
ライトの上の眉毛と呼ばれる部分はE65が初です。
iDriveのコントローラなど、このモデルは今までのBMWでは類を見ないほどの革新的な内容でした。
デザイン面でも7シリーズというBMWトップモデルであり、失敗が許されないモデルでしたが、この押しの強さこそライバルメルセデスに対するアピールだったのかもしれません。
XMの斬新なデザイン
BMWのグリル周囲が光るデザインに加えて、細目のLEDライトです。デザインもさることがら、価格面のインパクトも十分です。
不人気モデルとデザインの不作は異なる理由
BMWの売れないモデルの要因として、デザインはあまり関係が無いようです。
まとめ
どのモデルもアクの強さは、好きになれば大ファンとなる個性を持っています。
特にE65前期モデルは、熱心なファンも多かったようです。
今回、前期・後期で大きく異なるモデルをピックアップしましたが、その個性的なデザインは、今後も自動車メーカーのデザイントレンドに影響を与え続けるでしょう。
国産車で言えば、デザインの失敗により、先代よりも大きく販売台数を減らしたモデルは、いくつも思いう浮かぶことでしょう。BMWの場合、デザインで売り上げを大幅に落としたモデルは近年で言えば無かったと思います。
ユーザーの好みは人それぞれです。デザインで個人の好みは分かれるものの、BMWのデザインが屋台骨を揺るがすどころか、販売台数を伸ばしているのが、ここ数十年の歴史である「まとめ」になります。
コメント
どんどん酷くなるBMW。
現在ダサさ、ブサイク度では圧倒的No.1に君臨するBMW。
世界一美しいクーペと言われた635の栄光は今や消え去り、
コント入れ歯のようなM2の酷さを見るにつけ、街中で見るたび失望しています。