
「残クレ・アルファード」の動画により、残クレの利用者は「情弱」「貧乏人」「地獄」という、イメージが広まりつつあります。BMW残クレの詳細を解説します。
残クレの概要
残クレ(残価設定型クレジット・残価設定ローン)とは
- 3~5年のローンを毎月支払、ボーナス併用も可能
 - 3~5年後の車両価値「残価率」をベースとした「残価」を設定
 - 上記期間終了後、残価分は、未払のため「車返却、一括返済」などが選べるローンです
 
BMWの残価率とは
残価率の意味
残価率(ざんかりつ)とは、車の新車価格に対して、数年後に中古車として売却する際の価格が何%残っているかを示す割合を指します。この「残価率」は、自動車の売ったときの価値を表す指標です。高いほど価値が落ちにくい「値落ちしにくい車」と評価されます。
残価率の変動要素
BMWのモデルチェンジサイクルは5年~9年が一般的です。新型が登場していなければ、3~5年度の車両価値は、大きく下がりませんが、新型が登場したり、ライバル車の人気度、流行などの需要と供給の関係で、残価率が大きく下がる可能性があります。

BMWのLCIとモデルチェンジの周期とは
BMWのLCIとは「Life Cycle Impulse」の略で、日本では一般的にマイナーチェンジと呼ばれるものです。BMWでは、マイナーチェンジの事をLCIと呼んでいます。フルモデルチェンジ後の3年、4年目に実施するケースが多いです。
BMWの5年経過時の残価率とは
- モデルやグレード、色、装備、走行距離、キズや汚れなどにも大きく変動
 - 新型モデルの登場やマイナーチェンジの前後でも大きく変動
 - 変動幅は、減点幅が大きくなり、「-20%」もありえます。
 - 以下の数字は参考程度に捉えてください(引用:ユーカーパック 2025/9)
 
| シリーズ | 残価率 | 
|---|---|
| 1シリーズ | 45.11% | 
| 2シリーズ | 38.81% | 
| 3シリーズ | 37.03% | 
| 4シリーズ | 41.35% | 
| 5シリーズ | 37.56% | 
| 7シリーズ | 27.48% | 
| i4 | 35.82% | 
| i5 | 39.54% | 
| i7 | 39.54% | 
| iX | 38.08% | 
| iX1 | 34.45% | 
| iX2 | 34.45% | 
| iX3 | 35.82% | 
| M2クーペ | 42.58% | 
| M3セダン | 43.64% | 
| M3ツーリング | 35.01% | 
| M4 | 47.54% | 
| X1 | 43.31% | 
| X2 | 41.24% | 
| X3 | 50.03% | 
| X5 | 45.91% | 
| X5M | 51.01% | 
| X6 | 39.15% | 
| X6M | 44.40% | 
| X7 | 39.15% | 
| XM | 0.11% | 
| Z4 | 48.84% | 
BMWの残クレ種別
BMWバリューローン
- 毎月の返済額を抑えることが目的
 - BMWバリューローン:残価設定型のローン
 - 返済期間:2年、3年、4年、5年から選択
 - 据置額:返済期間終了後の車の価格(据置額)は決められた範囲で設定
 - 月々の支払額を決める:据置額を車両価格から差し引いた金額がベース
 - 毎月払いの最終回:清算が必要
 - 最終回の清算方法:「下取り清算による乗り換え」「措置額の再ローン契約」「措置額の一括払い」「売却による清算」の4プランから選択
 - 措置額はあくまで購入時の予想価格のため、据置額と実際の査定価格に差額が生じる場合もあり
 - 年間走行距離や修復歴など保証条件を下回った場合は、据置額減額の可能性あり
 - 措置額の一括払いを選択した場合、追加の支払いやキャッシュバックが生じる可能性もあるので価格の設定には注意
 
「BMWフューチャーバリューローン」
BMWバリューローンをベースとし、返済期間終了後の中古車市場の価格変動に左右されず、買取額(据置額)を保証(将来買取額の保障)される点が「フューチャー」の意味です。
- 毎月の返済額を抑えることが目的
 - 返済期間:2年、3年、4年、5年から選択
 - 据置額:将来買取額を保障するため、バリューローンよりも残価率が、低く設定
 - 年間走行距離や修復歴など保証条件を下回った場合は、据置額減額の可能性あり
 - 買取市場が高騰している場合でも、据置額は変動せず、損をする可能性もある
 
「BMWスプリット・プラン」
- 「残価保障あり」、「残価保障なし」の2タイプが選べる
 - 一回目の支払い:頭金を多く確保できる方向け
 - 二回目(最終回)の支払い:「新しいBMWへの乗り換え」「残存価格の再ローン契約」「残存価格の一括払い」「車両返却」の4つから選べる
 
「BMWバリューローン・プラス」
BMWバリューローンやBMWフューチャーバリューローンの支払期間中、一括払いでなく、ローンを延長して乗り続けたい場合のローンです。
- ローンの追加、延長が目的
 - 最長59回の延長が可能
 - ローンの延長ですから、ローン支払い満了まで、高額の金利負担が伴うデメリット
 - 買い替えが、次回車検満了後であるとか、計画的な利用が重要
 
BMWバリューローン支払い例
BMW X3 20 xDrive xLineのお支払例(月額32,100円の場合)
- ローンタイプ:BMWバリューローン[5年]
 - 支払タイプ:毎月60回払い+ボーナス併用払い
 - メーカー希望小売価格:8,080,000円(消費税込:2025/9)
 - 頭金:1,620,000円・・・①
 - ローン元金:6,460,000円 = 8,080,000 ー 1,620,000
 - 月々お支払額:32,100円 × 60回 = 1,926,000円・・・②
 - ボーナス月加算額(10回):150,000円 × 10回 = 1,500,000円・・・③
 - 据置額:3,819,637円・・・④
 - お支払総合計:8,865,157円 = ①+②+③+④
 - 手数料率(実質年率):2.99%(変動する場合があります)
 
残クレは情弱、貧乏人、地獄のワケ
残クレ・アルファードの動画が注目を浴び、「情弱、貧乏人、地獄」と形容されるイメージが世間に伝わったのではないでしょうか?。その実態を解説します。
残クレ利用にメリットがある方(金融資産のある方のみ)
- 法人車両、経費扱いで購入する(個人でも以下の条件なら可)
 - 頭金30~50%を入れる計画である(ローン、据置額の負担を減らせる)
 - 金利2%以下である(他のローンと変わらない)
 - ローン支払い期間中、投資信託などで資金運用が可能な方(資金力・運用力のある方)
 - 自動車保険の「新車特約」という高い特約保険料の加入は必須。
全損事故では、通常の車両保険で全額をカバーできず、ローンだけが残るリスク 
上記に該当せず、残クレを利用する方は、世間一般から「情弱、貧乏人、地獄」と見なされる可能性が高まります。
残クレのデメリット
- 毎月の支払額を抑えられる、5年後に新車に乗り換えられる、というセールストークを理解できず、説明内容を理解せず契約してしまう(以下の意味が理解できない)
 - 実質的に途中解約できない(解約時は全額返済が必要)
 - 5年後の買取保障額(据置額)で、減点条件()に該当すると、追金が発生
(走行距離、内外装のキズ・汚れ・臭い、事故歴、改造) - 5年後、中古車の人気が出て、一般の市場価値が上がっても据置額は固定
 - ローン元金に掛かる金利を5年で支払わなければならない
 - BMWは、残価率が低め(一部SUVを除く)
 
残価設定ローンの落とし穴を理解できていない
- 次月の支払い額が少なくなるという落とし穴の理由が理解できていない
 - トータルコストで支払額が増える落とし穴の理由が理解できていない
 - ローンの審査が緩い理由を理解できてない
 - 上記の落とし穴を理解しない方は、残クレを素晴らしいローンだとする独自解釈に繋がり、友人・知人に勧めて失笑される結果となる
 
BMW残クレの天国と地獄とは:まとめ
アッパーマス層以上の富裕層は、現金一括がおすすめ
- 資産3千万以上であれば、当たり前ですが、一括払いで購入がおすすめ。
富裕層にとって、数百万をローンで払うメリットなし - 法人はリース契約がメリット大
 
資産運用が得意な方は、残クレ利用もあり
- 残クレの金利デメリットを理解できる
 - 残クレの金利デメリットを上回る資産運用ができる
 
ヨタ残クレとBMW残クレの販売方法の違い
- ヨタ人気車は、「残クレ契約で納期が早まる、残クレ客優先」という必殺トーク
公正取引委員会より是正警告 - BMWでは、上記ほど酷いケースは少ないのですが、セールストークとして残クレを推奨するケースが多いので、BMWスタンダートローンまたは銀行ローン利用を推奨します
 
(まとめ)デメリットを理解できない方は銀行ローンを推奨
- 残クレのデメリットが正しく理解できると、次に進むべき道が、自分で判断できるようになります。
 - 残クレのデメリットが理解できないまま、残クレ契約を行うことは、残クレ・アルファードな道を辿る可能性が高まります。
 - 「毎月の支払額が安い理由には、ワケがある」という当たり前の「まとめ」になります。
 

  
  
  
  

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