
BMWに搭載された新しいOSのバージョンとなるiDrive9.0搭載モデルの現状と今後について解説します。
iDrive9.0(ID9)とは
iDrive(アイドライブ)とは、BMWの車両に搭載されている操作システムを指します。ナビ、オーディオ、車両設定など、様々な機能をセンターモニターなどで操作できます。
その中で2024年登場のiDrive9(ID9)について解説します。
特徴
- Googleの「Android Automotive OS」がベース
- タッチパネルの操作が主体
- 従来の「Linux OS」がベースのiDrive8.0/8.5とは見た目や操作性を一定踏襲しているものの、OS本体は、全く異なります。
- BMW MINIは「MINI OS9」となり、iDrive9.0とは外観が異なりますが、ベースは同様
大手メーカーが採用
現在、Volvo、ホンダ、GM、ルノー、日産、三菱などの大手メーカーが「Android Automotive OS」採用することとなり、今後発売予定の新型車より搭載されていく想定です。
スマホと同様の操作ベース
- タッチパネル操作で、スマホアプリとの連携強化
- スマホアプリを直接、車載OS上に追加可能
- AndroidAutoやAppleCarPlayの様に、スマホ接続による画面の投影とは異なる仕組み
iDrive9.0搭載車種
- 2024年登場の新型X2(U10)
- 2023年11月生産以降モデルのX1(U11)と2シリーズアクティブツアラー(U06)
(生産タイミングにより、確認は必要) - 2024年以降の新型MINI(丸型センターモニター搭載車)
- 2024年登場の新型X3(G45)
iDrive上のユニットバージョン表記は「IDC23」
上位モデルiDrive8.5との違い
- X1/X2/2シリーズ:小型カーブドディスプレイ(iDrive9.0)
- 3/4/5/6/7/8/X5/X6/iX/XMシリーズ:大型カーブドディスプレイ(iDrive8.0/8.5)
- ヴィジョンノイエクラッセ:大型異形カーブドディスプレイ(iDrive10.0)
iDrive9.0は、先行して小型ディスプレイ用途に搭載されます。
- 小型カーブドディスプレイの画面比率2:1
- 大型カーブドディスプレイの画面比率3:1
「Android OS」において、画面比率は柔軟に対応しますので、制約は受けません。
エントリーモデル向けが「iDrive9.0」とする記事もありますが誤りです。
単に基本設計(開発コードUxx)が新しかったに過ぎません。
iDrive8.0以降の初期セットアップ(推奨)
スマホとのブルートゥース接続
- 車両側:アプリメニューを選択
- 車両側:携帯機器を選択
- 車両側:新規機器接続
- スマホ側:設定
- スマホ側:Bluetooth
- スマホ側:オン
愛車に「ID追加」とスマホアプリとの連携
- スマホ側:MyBMWアプリをスマホにダウンロード
- 車両側:右上の人アイコンをクリック
- 車両側:プロファイル追加をクリック
- スマホ側:車両画面上のQRコードをスキャン(読み取り)
- 上記操作で車両とスマホのID連携が完了
プライバシー保護
- 車両側:アプリメニューを選択
- 車両側:データ保護を選択
- お好みに応じて、オンオフ設定
ナビを使用している時点で、車両側に位置情報が残っており、オンラインでサーバーと連携する・しないの違いでしかありません。基本的に全てをオンにしても影響は無いでしょう。
※一部オフにした場合、アプリ側で統計情報が使えないなどの弊害もあります。
デジタルキー設定
スマホキーとスマホ(デジタルキー)の二つを別々に持ち運ぶことで、紛失の備え以外にも用途に使えるでしょう。
- 車両側:通常のリモコンキーを準備する
- 車両側:アプリメニューを選択
- 車両側:キーを選択
- 車両側:キー追加を選択
- スマホ側:表示されたQRコードをMyBMWアプリでスキャン
- この操作でデジタルキーの設定が完了
iDrive9.0の弱点・デメリット
Google AndroidのOSは、スマートフォンでは長年の実績があり、信頼性も高まっています。
車載OSとして、他メーカーでの採用事例も増えていますが、安定性はこれからの状況です。
(たまに再起動が必要との事例もあるようです)
- iDrive1~7:BMW独自開発、インターフェースの進化
- iDrive8~8.5:カーブドディスプレイによる操作性刷新
- iDirve9:ID8操作をベースとしたAndroid OS化
- iDirveX:2026以降の新型モデル(iX3から搭載予定)
細かい機能、安定性、使い勝手など、ID7から機能ダウンした面もあります。
iDirveXから、インターフェースが刷新される可能性もあり、ID9は短命に終わるOSとなりそうです。
今後のiDrive9.0の流れ
下位モデルのiDrive9.0搭載版(1/2/X1/X2)
- 10.7インチ ドディスプレイ、上位モデルCPU:インテル製(開発コードUxx)
タッチパネル操作前提のため、iDriveコントローラ搭載しないインターフェースとなっています。
USBオーディオインターフェースの削除に注意
外部オーディオは、ブルートゥース経由のみとなります。

上位モデルのiDrive9.0搭載版(X3-G45)
- 14.9インチ ドディスプレイ、下位モデルCPU:クアルコム製(開発コードGxx)
X3では、iDriveコントローラを搭載していおり、iDrive9.0としては、外部コントローラにも対応しており、GモデルもLCIモデルでは対応していくことが予想されます。
最新のiDriveを使いこなす早道:まとめ
旧世代に慣れた方にとっては、一部機能に不満が出るケースもありますが、最新世代は音声認識AIが高度に進化しています。そこで物理ボタンやタッチ操作ではなく、音声操作に慣れることをお勧めします。
音声操作に慣れることが9.0を使い倒すコツ
物理ボタンのエアコンやオーディオ操作に慣れた方にとっては、iDrive9.0のタッチ操作に違和感を覚える方も多いようです。画面のカスタマイズだけでなく、音声認識率が高まった「OK!BMW」に慣れることが、タッチ操作から解放される早道です。
温度や風量設定は、音声指示に慣れることをお勧めします。
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