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全固体電池で日本車よりもBMWがリードしている理由

BMWコラム
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全固体電池では日本メーカーが多くの特許を保持しておりゲームチェンジャーであるかのような報道が多かったのですが、状況は変わりつつあるようです。全固体電池としてのBMWの取り組み状況を解説します。

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BMWにおける全固体電池の取り組み

  • 2008年:BMWグループとして、バッテリーセル技術分野での専門知識を蓄積
  • 2013年11月:BMWのフルバッテリーEVである、BMW i3を発売
  • 2014年8月:BMWのPHEVスポーツカーである、BMW i8を発売
  • 2016年:BMWグループとアメリカ・ソリッドパワー社、共同開発契約を締結。次世代EVへの採用が期待される全固体電池(ソリッドステートバッテリー)を共同で開発すると発表
  • 2017年12月:ソリッドパワー社と提携
  • 2019年:BMWグループバッテリーセル能力センター(BCCC)に集約。BCCCは研究開発からバッテリーセル設計、生産能力まで、バリューチェーン全体をカバー。
  • 2021年5月:BMWとフォードがアメリカのソリッドパワー社の「シリーズB」(量産体制の確立フェーズ)に共同出資
  • 2022年:BMWグループとソリッドパワー社は、パートナーシップの強化および技術移転契約
    BMWはパルスドルフのCMCC(セル製造能力センター)で、ソリッドパワーの経験と専門知識を活用し、研究開発ライセンスに基づいて固体セルプロトタイプラインを運営する予定
  • 2025年:ソリッドパワー社の大型純全固体電池(ASSB)セルを搭載した「BMW i7」のプロトタイプを公開

大型純全固体電池(ASSB)セルとは

「ASSB」は、「All-Solid-State Battery」の略称。
全固体電池(ASSB)は、現在のバッテリー技術と比較して高いエネルギー密度を有する。

メリット

  • 高エネルギー密度
  • 軽量化
  • 小型化
  • 充電速度の短縮化
  • 航続距離の延長

などの点が挙げられます。

デメリット

  • 実現に向けての各種課題が山積している
  • 技術的なハードルが高く、量産化が難しい
  • 現在の液体リチウムイオンバッテリーの性能進化、コストダウンのスピードに追い付くことが難しい

日本のメーカーも数多くの特許を保持しているが、特許数ダントツのトヨタでさえ、2027年の実用化とされているが、一向に試品が表に出てこない状況。

全固体電池でゲームチェンジャーになれるのか

BEVで出遅れたトヨタが全固体電池でゲームチェンジャーに巻き返すような国内報道が過去に多く発信されていました。
しかし、世界的なBEVの低迷ニュースが流れると、一気に報道もトーンダウンしました。

他の海外メーカーも開発を加速

米ファクトリアル社とステランティス、メルセデスグループが、共同開発契約を締結

全固体電池を搭載したBMW i7の試作車が試走

BMW i7のテスト車両概要

  • 搭載されたASSBの試作バッテリー
  • BMW第五世代のバッテリーモジュール内の「角型セル」に規格化
  • Solid Power社の全固体電池セルを「角型セル」に格納
  • 全固体電池セルには硫化物系電解質が使用され
  • バッテリーパックに完全に統合

ASSBのテスト概要

  • セルの膨張の管理について調査
  • 動作圧力の制御方法や温度条件の調整方法の調査

全固体電池で日本車よりもBMWがリードしている理由:まとめ

水素燃料電池車では、完成済試作車の市販化をストップさせる一方、全固体電池は市販化に向けてのスピードを加速させています。

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  • BMWは、日産リーフと並び、純バッテリーEV車の市販化を早期に実現
  • 全固体電池の分野でもアメリカ・ソリッドパワー社との提携
  • 複数の全固体電池の特許を持つ日本メーカーよりも早く、テスト車両(BMW i7)を公開

BMW i7のテスト車両公開により、日本メーカーの全固体電池の市販化ニュースがメディア向けのポーズに過ぎなかったのか、欧米中韓のバッテリー有力メーカーに先を越されるのか、ハイブリッド車勝利に沸き立つ日本車の真価が問われるところでしょう。

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