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5メートルの壁を超えた新5シリーズ(G60)は売れるのか

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FUN君
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全長5060mmとなった新型5シリーズ(G60)です。
斬新なインテリア、エクステリアなど、新5シリーズは人気を維持できるのでしょうか。523iのインプレッションを交えて、今後の動向を予想します。

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試乗モデルは、523i

523iのスペック

  • 全長:5,060mm
  • 全幅:1,900mm
  • 全高:1,515mm
  • トランクルーム容量:520L
  • エンジン:2リッター直列4気筒DOHCガソリンターボ
  • 最高出力:190馬力〔140kW〕
  • 最大トルク:310Nm 〔31.6kgm〕

※写真は523iとは異なります。
部品不足の関係で、LEDの光り方がシンプルなアンビエントライト仕様もありますので、注意が必要です。(ここが目玉装備なのですが)

ボディ大型化の歴史

本題の全長5060ミリという大柄なサイズとなりました。

5シリーズ全長・全幅・全高サイズの変遷

  • G30:4945mm、1870mm、1480mm
  • G60:5060mm、1900mm、1515mm 現行モデル、BEVとICEの併用

7シリーズ全長・全幅・全高サイズの変遷

  • E38:4985mm、1860mm、1435mm
  • E65:5030mm、1900mm、1490mm(前期)クリスバングルデザイン
  • F01:5070mm、1900mm、1485mm(前期)キープコンセプト
  • G11:5110mm、1900mm、1480mm
  • G70:5320mm、1950mm、1540mm 現行モデル、ロング版を廃止、BEVとICEの併用

デザインとサイズで大きく変わったポイントを赤字に示しました。
クリスバングルデザインの「E65型」、最新「G70型」で大きな進化があったことがわかります。
7シリーズ(G70)としてみれば、全長210mmの大型化となっています。
もともと5000mm超えのボディであり、最上級サルーンとしてみれば、ユーザー層の実影響は、許容範囲かもしれません。

電動化と内燃エンジンの共用プラットフォーム

5シリーズ(G60)、7シリーズ(G70)大型化の背景

  • 電動化専用モデルの追加が主な理由
  • 車体中央部に大型バッテリーを配置
  • 居住性部分の底上げが必要
  • 居住性を先代と同レベルを維持するために、ホイールベースの延長と全高アップが必要
  • 車体全体のデザインバランスを保つため、車体全体の大型化が必要

7シリーズ(G70)との兄弟関係の維持するためにも、同じ流れに沿って、5シリーズが大型化するのは必然だったと言えます。この流れに従って、現3シリーズ(G30型)も次期モデルは4850mm程度まで大型化されると予想します。

マイルドハイブリッドの効果絶大

スタート時の絶大なモータートルクアシスト

車両重量は、1760kgとなり、この大型ボディでも異例の軽さとなっています。
8ATのスムーズさは変わりません。
G60型の変更点は、8ATと同軸上に設置されたマイルドハイブリッドのモーターです。
停止からのスタート時はモーターが受け持ちますので、低速時のトルク不足をトルクの立ち上がりが非常に速いモータートルクが補いますので、出だしに不足は感じられません。

燃費の向上と静粛性にも貢献

無駄な燃料消費も抑えられ、街中メインでも燃費は12~14キロ台をマークできそうです。
発進時のモーターアシストにより、停止状態からのエンジン始動音も抑えられ、静粛性にも貢献しています。

パワー不足とする意見に疑問

G60の0-100km/h加速は、8.1秒

最新G60の違いとしては、48Vマイルドハイブリッドの追加とミラーサイクルを追加している点です。(ミラーサイクル(英: Miller cycle)とは、容積型内燃機関においてアトキンソンサイクル機構を疑似的に吸気バルブの早閉じ、遅閉じによって実現したサイクル)
やや、燃費性能重視に振っている面もあるようですが、絶対性能の0-100km/h加速では、8.1秒であり、大きく劣化している感は無いようです。

  • 先々代5シリーズ(F10型)523i:2Lターボ8AT:7.9秒
  • 先々代5シリーズ(F10型)523d:2Lターボ8AT:8.1秒
  • 先代5シリーズ(G30型)523i:2Lターボ8AT:7.7秒
  • 先代5シリーズ(G30型)523d:2Lターボ8AT:7.5秒
  • 先代メルセデスEクラス(W213型)E200:1.5Lターボ9AT/BSG:7.5秒

数値の差こそあれ、200ps/30Nmの程度数値であれば、性能面の差は誤差レベルと判断できます。
また、欧州仕様と日本仕様で数値に差異があり、ネット上も曖昧なため、数値は参考にしかなりません。全車ならべて、競争したところで、0.5秒の差が決定的なパワー不足の差として現れるのか難しいところでしょう。

数値から言えば、「パワー不足」「重量が重いから」「トルク不足」「買うなら523d」などの、評論家や個人ブログの意見・コメントが、今一つ信憑性に欠けるところです。

530i以上のパワーを求めるなら待つしか無い

従来の感覚で言えば、G60/523iの0-100km/h加速8秒台前半なら、日本の道路では必要にして十分であり、ストレスは溜まりません。むしろ、NAエンジン時代の2000年代に比べれば、直噴ターボと多段ATにより、低中速トルクの充実感は、比べ物になりません。

ただし、530/540のパワーに慣れた方にとって、パワー不足は否定できず、今後の上位グレードの登場を待つしかないでしょう。

アクティブステアリング無しは厳しい

2023年、部品不足により、オプションパッケージの中で、インテグレーテッドアクティブステアリングの設定が、カットされるケースが発生しています。
試乗車もこのオプションがカットされていました。
試乗時、狭い車庫入れへの影響、取り回しについては、十分な確認が必要です。

アクティブステアリング付きの最小回転半径5.7m

5シリーズのような比較的大柄なボディにとって、インテグレーテッドアクティブステアリングは必須装備と言っても良く、数値以上の小回り感を感じるケースもあるでしょう。
最新G60でも先代と同じレベルの性能を維持しているのは、後輪逆位相のお陰でしょう。

  • E60:最小回転半径5.7m
  • F10:最小回転半径5.5m
  • G30:最小回転半径5.7m
  • G60:最小回転半径5.7m

全長5m超えの影響

ネット上、Eクラスから5シリーズに流れるというコメントも見られましたが、むしろ逆になる可能性もあります。

日本の立体駐車場のサイズ制限問題

  • 全国平均:全長5050mm以下、全幅1850mm以下、全高1550mm以下

これより狭い旧式規格も多く、X7や7シリーズを許容するサイズも非常にレアです。

家庭用カーポートサイズ(YKK)

  • スモール:5,052mm
  • ラージ:5,768mm

このあたり、最新Eクラスは、全長が5m以内に収まっている点で、サイズ感で他メーカーに流れる可可能性もあります。

523iインプレのまとめ

  • 圧倒的な静粛性、スムーズなマイルドハイブリッドは新世代の5シリーズを感じる
  • iDrive8.5は、慣れれば使い勝手も良い
  • 見た目のボディは大きいが、運転すると小さく感じるのは今までの流れ
  • 2リッター直4ターボは、先代と変わらないパワートルクは必要十分
  • 価格的には1000万級となり、サイズアップと共にライバル車に流れる可能性も

このサイズに必須装備のアクティブステアリングが未装備のケースは、試乗での確認が必要です。(部品不足の影響など、他装備確認も必須です。)

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