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破竹のBYD製PHEVに対して出遅れた日本車とBMWの状況

自動車全般
FUN君
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日本車は正しかったとする日本メディアが溢れている中で、中国製PHEVに席巻された中国市場です。HEVの延長線上、いつでも巻き返せるという理屈は、過去のものとなりました。日本車やBMWの状況を解説します。

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中国国内のBEVとPHEVの販売実績

2023年のPHV伸び率は、EVの3.5倍

  • BEV:157万5000台
  • PHV:143万8000台

中国では、BEVが売れているもののPHEVの伸び率が上回っており、台数的に2024年はPHEVがBEVを超える事が確実視されています。

BYD製:秦PLUS DM-i 冠軍版

エンジン、モータースペック

  • エンジン:直列4気筒ガソリン
  • 排気量:1500cc
  • モーター:132kw/316Nm
  • トランスミッション:CVT
  • 駆動:FF
  • 最高速度:180km/h
  • バッテリータイプ:リン酸リチウムイオンバッテリー
  • バッテリー容量:8.32 kWh と 18.32 kWh(2タイプ)
  • BEV航続距離:55kmと120km
  • タイヤサイズ:225/60R16インチ

最高熱効率の数値

  • 秦Plus:43%
  • トヨタヤリス:41%

仮にこの数値が本当だとすれば、内燃エンジンの熱効率が日本車を超えていることになります。
燃費効率重視型エンジンは、20年程度で追いつかれたことになりますね。

脅威的な価格160万スタートのニュースも

バッテリー生産からモーター制御まで、世界トップレベルに躍り出ました。

バッテリー容量と後続距離のコスパでも、プリウスPHEVを上回っており、移動距離の多い、平均的な欧米の日常移動距離をカバーしているのがポイントです。
前車は200万を切る販売価格であり、もはや日本車が歯が立たない状況です。

BYDの実績

世界初の量産型プラグインハイブリッドカー

  • 2003年:電池事業のノウハウを生かして自動車事業に参入
  • 2008年:世界初の量産型プラグインハイブリッドカー「BYD F3DM」発売
  • 現在、バッテリーでは世界第3位

トヨタのプリウスPHEVよりも遥かに早く実現していたことになりますが、2008年当時は、F3DMの外観がカローラやフィットのコピーと呼ばれていました。
1.0Lの内燃エンジンや品質も含めて、当時の中国車が現在のレベル到達するとは予想しなかったでしょう。

世界トップレベルに到達したのか

BYD製も他社ライバル車を解析し、自動車製造として、BYD製BEVは、テスラに並ぶトップレベルの地位と品質を確立しました。PHEVも世界シェアとしてトップレベルとなっています。
PHEV用の内燃エンジンは、少なくとも韓国車に近いレベルに追いついたと仮定すれば、途上国向けの中国車ICE製造コストは、日本車でも敵わない状況と言えます。

中国製スマホで言えば、世界のトップレベルに到達し、世界市場を席捲しています。
また、中国国内でBYD製PHEVを敬遠していなことは、数字からも明らかです。少なくとも途上国で、韓国車を押しのけて、中国製ICEやPHEVに席巻されることは時間の問題です。
日本車は、販売先を失う可能性が高まっています。

THS無償解放を利用しない世界のメーカー

2019年、トヨタはHV関連特許を無償提供したのですが、欧米、中国、韓国メーカーはどこも採用しませんでした。

提携したBMWでさえ、トヨタ製HVに目もくれず、逆にスープラ向けの車体とエンジンを供与する提携実績です。また、トヨタ製FCEVを用いたBMW試作車は、とっくに製造済であり、MIRAIの市販実績から何の問題も無いレベルですが、未だに市販していない状況です。

eアクスル、AT一体化の流れで日本を超える

世界のメーカーは、トヨタ製HV無償提供を選ばず、将来のPHEVを見据えて、モーターとの協調制御について、ATメーカーと共同開発という道を選んだのです。

eアクスルは8in1

電動化の関連部品や駆動部の関連部品の一体化や集積化を図り、コンパクト化とコストダウンを図る手法です。この分野でもBYDやテスラ製の進化が見て取れます。

BMWのMHEV/PHEV電動化

  1. 内燃エンジン > 8AT
  2. 内燃エンジン > 48V-MHEVモーター > 8AT
  3. 内燃エンジン > PHEVモーター > 8AT

ZF製ATを採用する欧米メーカーは、基本的に上記のイメージです。

トヨタ・デュアルブーストハイブリッド

トヨタが最近、市販化したシステム構成です。欧州勢が8/9ATを採用する中で、6ATという一世代前の多段数に留まっています。得意のTHS/THS2を採用せず、欧州勢と同じ仕組みとなり、AT段数も劣るという、もはや日本製のHV先進性の欠片も無くなってしまった内容となります。

破竹のBYD製PHEVに対して:まとめ

  • 世界のCO2規制強化により、HEVが締め出されるのは時間の問題
  • 現在の円安効果、欧州勢がBEVシフトの最中、HEV勝利に沸いている場合ではない
  • BYD製PHEVにより、今後、残された内燃エンジン市場ですら席巻されつつある
  • 日本製PHEVの存在感は全くない状況で、HEV優位のメリットを全く生かせていない
  • 中国市場では輸入車に排他的であり、今後は安堵できない

160~200万のBYD製PHEVの登場は、ブラジルや途上国など、電動化移行が遅い地域をも席巻する可能性があります。

BEV普及のハードルは高いが、PHEVは低い

純BEVについては、充電インフラの問題がつきまとい、完全移行には時間が掛かることが予想されます。
安価PHEVが登場したことで、高コストなPHEVという常識が崩れ去りました。
純ICE/HEV市場という日本車の得意分野を席捲する可能性があるのです。途上国市場は、全て持っていかれる可能性があり、日本車HEVの市場は将来国内のみ、となる可能性もあります。
(先進国は、CO2規制強化で、販売NGとなりますが、緩い日本は販売OK)

高級車市場としてBMWのポジションに影響はない可能性が高いですが、日本製HEVは窮地に追い込まれると予想します。

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