5シリーズツーリング(E34)の特徴でもあったリヤハッチのガラス開閉機能です。
このガラスハッチ機能がG61ツーリングでは採用されませんでした。
この理由を解説します。
ツーリング・リヤガラスの開閉機能
E34型の5シリーズツーリングのモデルから採用された機能で、G31ツーリングまで採用された機能です。
まだ、X5などのSUVモデルも無かった時代であり、ツーリングモデルの多用途、多機能については、他メーカーのステーションワゴンモデルには無い機能でした。
天井部にガラスの軸受け可動部のスペース確保が必要となりますが、天井部分の高さまで収納するケースは無く、トランクスペースを狭くする要因では無かったと判断できます。
独立開閉式リア・ウインドー
BMWのカタログ標記上は、「独立開閉式リア・ウインドー」という名称となっています。
スピーディな開閉が可能
このガラスハッチのみが開く機能により、重たいリヤハッチを開ける必要が無い場合や小物の出し入れについては、スピーディな開閉が可能となりました。
トノカバーもガラス開閉に連動
両車ともトノカバーを閉めていた場合、ガラスハッチを開けると自動的にカバーが開きます。
3シリーズツーリングでも採用
5シリーズツーリングだけでなく、3シリーズについてもリアゲートだけでなく、ガラスハッチのみ開閉させることが可能となりました。
リヤガラスの開閉機能の認知度が低い
便利なリヤガラス、リアウインドウ開閉機能です。
メーカー側の認識
E34ツーリングに採用され、以降に登場するツーリングモデルに採用されてきた本機能ですが、次期モデルから採用を見送るとする発言が見られるようになりました。(G31時代)
見送る理由
- ユーザー側の認知度が低い
- 結果、利用率も低い
- 複雑な機能追加、コストに見合った効果が得られていない
などが、主な理由のようです。
BMWディーラーセールス担当が、ツーリングの特徴の一つでもある、ガラスハッチの機能説明を怠るとは考え難いでしょう。
メーカー責任者の発言ですが、これがマーケティング調査の結果なのか、真意は不明です。
知ってしまったら便利な機能
- 電動ハッチよりも開閉が早い
- 小物の出し入れなら、これで十分
ではないでしょうか。
少なくとも、ツーリングモデルのユーザーであれば、この機能を熟知しているでしょう。
リヤガラス開閉機能採用によるデメリット
この便利機能実現のために、主に重量増加やコスト増が伴っています。
- 強度確保(ボディ側、ハッチ側)
- ガラス開閉機構スペース確保
- ガラス開閉ダンパー機能
- ワイパー機能
- ラゲージカバーの開閉連動機能
- 上記機能追加のコスト増加
- 雨漏り防止のためのシール対策
G61ツーリングのリヤガラス開閉機能見送りの理由
公式の答え(www.motor1.comより引用)
「リアウィンドウが別に開かない理由は、車両のリアエンドの無駄のないスポーティな空力デザインと傾斜したルーフラインに関係しています。テールゲートに窓を別途開く機構を組み込むと、トランクエリアの室内容積が犠牲になってしまいます」
との理由です。
後述するメルセデスのEクラスワゴンに比べて、リヤウィンドウを寝かしているデザインです。
その関係上、荷室では元々、大きく差が開いており、今さら気にするポイントではないでしょう。
5シリーズツーリング荷室容量
- 先々代F11ツーリング:560リッター、後席をたたんだ状態で1670リッター
- 先代G31ツーリング:570リッター、後席をたたんだ状態で1700リッター
- 現行G61ツーリング:570リットル、後席をたたんだ状態で1700リッター
ライバルEクラスステーションワゴン
- 先代S213ワゴン:640リッター、後席をたたんだ状態で1820リッター
- 現行S214ワゴン:615リットル、後席をたたんだ状態で1830リッター
G61ツーリングのリヤガラス開閉機能見送り:まとめ
電動化の話は全く関係無し
リヤハッチのガラス部分は、ツーリング専用の機能です。
セダンとツーリングで共用する電動化本体の部分には全く関係ありません。
よって、電動化に伴う重量増を考慮した軽量化とは無関係の話です。
見送り理由のまとめ
- ユーザーの利用率低下(メーカー側判断)
- 荷室スペースの確保
- コスト削減
の3点を見送り理由としての「まとめ」とします。
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